2012年3月4日日曜日

浄楽寺の運慶仏に再会する

本日(3月3日)は横須賀浄楽寺の御開帳の日だった。年に二回の運慶仏の御開帳とあって、仏像クラブの面々で出かけた。平成20年に訪れた際は秋だったが、今回は早春の仏像めぐりとなった。相変わらず御開帳日は込み合う浄楽寺だが、収蔵庫に入ると大きな阿弥陀如来が迎えてくれた。頼朝創建の鎌倉の「勝長寿院」の丈六阿弥陀如来(成長作)を模して、和田義盛夫妻が運慶に作らせたという本像は威厳を満ちた表情をしており、堂々とした体躯、流動する衣文がすばらしい。今回私が注目したのは、阿弥陀三尊の目である。初作から仏像の目に玉眼を使用してきた運慶が如来・菩薩には彫眼(ちょうがん)を使用している点だ。同時に造られた不動明王・毘沙門天には玉眼が使用されており、その違いが見比べることができて興味深い。運慶は如来・菩薩わざと彫眼を使用して人には近寄りがたい威厳を持たせるための効果か。浄楽寺では年々御開帳の参拝客が増えているのか、前にはなかった不動明王・毘沙門天のポスターがあったので購入しお寺をあとにした。逗子に帰ってから喫茶店で熱く運慶について語り合う仏像クラブも面々であった。

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