2019年9月22日日曜日

特別展 快慶⑫(東大寺阿弥陀如来)

昨日NHKで物議をかもしたA教授の「運慶と快慶」が放送された。ニュー
スを騒がせた快慶仏発見の瀧山寺の十一面観音や、三重の快慶仏が紹介されていたが私が注目したのは東大寺俊乗堂に伝わる阿弥陀如来の截金(きりがね)文様の製作過程の再現映像だった。番組では肉眼ではとらいきれない截金文様をカメラが初めてとらえたみたいに言っていたが、快慶展の図録には奈良博の山口研究員の意図か表紙が阿弥陀如来の袈裟に描かれた星形文様もはっきりと見れる。金泥塗の上に一ミリにも満たない金糸を何本も重ねることで星の光を表す快慶の超絶技巧だ。山口研究員によると「快慶が(中略)生涯をかけて追及したのが、実在感と格調の高さを兼ね備えた阿弥陀如来立像の姿です。」とのこと。細部にわたってこだわった快慶のすごさが伝わる仏像だった。

2019年9月15日日曜日

特別展示 奈良大和四寺のみほとけ⑦(室生寺十一面観音)

今回の「奈良大和四寺のみほとけ」の目玉は室生寺の釈迦如来と十一面観音だろう。十一面観音は見仏記のみうらじゅん氏に言わせると「ピンで写真集が出せる」ほど人気な仏像だ。実は昨日も東博を訪問し十一面観音を拝観してきた。見仏記のみうらじゅん氏・いとうせいこう氏のトークショーを聞きに行くため出かけた。東洋館のシルクロード美術や法隆寺宝物館の伎楽面を見てから本館11室に向かった。会期終了まで10日の三連休初日とあって込み合っていたが、難陀竜王・室生寺釈迦如来などをじっくりと鑑賞した。十一面観音は室生寺で見るより高い台のうえに展示されていた。トークショーでいとうせいこう氏が言っていたが、十一面観音と目線が合うように展示されているとのこと。見仏記によると「ふくよかに皮膚が張りつめた頬や少し短めの足からすると(中略)この観音も童子的な形態を意図して作られたのかもしれなかった」とのこと。私は童子的というより溌剌とした少女をこの仏像から感じた。トークショーは11室の入口で販売していた御朱印入り大和四寺巡礼服でお二人が登場して今回展示されていない安部文殊院の文殊菩薩や岡寺・長谷寺の仏像を見仏記掲載のみうらじゅんイラストを中心としたスライドショーや土門拳クイズなどで大いに盛り上がった。「奈良大和四寺のみほとけ」を二倍楽しむことができてよかったと思う。

2019年9月8日日曜日

特別展示 奈良大和四寺のみほとけ⑥(室生寺地蔵菩薩)

今回の特別展示「奈良大和四寺のみほとけ」の目玉の展示が国宝室生寺十一
面観音と地蔵菩薩だ。二人とも美しい薄い光背ごと展示されている。十一面観音は国宝でもあり素晴らしい仏像だが、地蔵菩薩がなぜ選ばれたか会場で目にするまでわからなかった。近づいてみるとその光背の美しさに目をみはった。周りには地蔵菩薩などの仏が描かれているが色彩表現が華麗で優美だ。東博ブログによると「面貌や肉身部分を朱線で描き(中略)絵画として地蔵を表した例としては現在最古といえるでしょう。」とのこと。地蔵菩薩の頭と光背があっていないのは三本松にある安産寺の地蔵菩薩がもと室生寺にあり、それ用につくられたものだからだ。魅惑の仏像「奈良室生寺十一面観音」で小川光三氏が再現した写真を見たことがあるがぴったりだった。板光背の地蔵菩薩の唐草文の先端はひるがえって火焔になる躍動感は見事。仏像の横を見るとその板光背の薄さにびっくりした。ここ上野で見られる喜びを噛みしめ次の展示に向かった。