2021年11月26日金曜日

浅草寺のみほとけ①


 先月のこととなるが、特別展「最澄と天台宗のすべて」をみたあと、本館14室で開催中の特集「浅草寺のみほとけ」を見にいった。最澄展の案内を作成した時に東博HPをみて本展のことを初めて知り、パンフレットをダウンロードして興味がわき急遽当日の展示案内に加えることにした。小さいながらも運慶展でみた海住山寺の四天王を凌駕する、善派の四天王や癒し系の中国製僧形座像。珍しい立った牛に乗った大威徳明王や不動明王。先ほど巨大な慈恵大師の化身と呼ばれる角大師やU案内人が「職人があまり材で遊びで作ったのでは」と感想を述べた風神・雷神像などみどころ満載の展示だった。やはりコースにいれてよかったと思わせる展示に満足して東博をあとにした。

2021年11月20日土曜日

京都・奈良2021③(醍醐寺の大威徳明王)

 

初めて醍醐寺を訪れたのは2011年だった。それからちょうど10年たった今年、再訪した。醍醐寺三宝院の快慶仏弥勒菩薩の特別参拝を予約した関係で、3時間半滞在し、ふだん訪れたことがない弁天堂の近くの和カフェ阿闍梨寮「寿庵」でゆば丼をいただき霊宝館拝観の途中ではフレンチカフェルクロスゥルスリジェでガトーショコラ「醍醐寺の石畳」をいただき時を過ごした。霊宝館では創建当初からのいつもの薬師如来と初めてみる上醍醐の五大明王を拝観した。この五大明王のうち大威徳明王は空海の弟子で醍醐寺を開いた聖宝に関連する創建当初ににさかのぼれる仏像だ。角ばったモデリングが特徴で「カマキリのような」ともしばしば形容される真言系の官営工房によるものとのこと。はじめて見る上醍醐の仏像に魅了されながら時間が来たので三宝院に向かった。


2021年11月13日土曜日

京都・奈良2021②(霊山寺の十一面観音)

 

京博の井上正氏の名著「古佛」には、通常の美しい仏たちとは次元の異なった世界で創り出された多くの仏像が紹介されているが、まだ訪れたことない霊山寺(りょうせんじ)を旅に出る前調べていた時、たしか「古佛」で紹介された仏像だと思い出し、霊山寺十一面観音のページをコピーして旅だった。2日目(11月7日)の最初に訪れたのが霊山寺だった。入口で特別拝観券つきのチケットを購入して昨日の京都より紅葉の進んだ奈良の古寺の錦秋に彩られた坂道をあがり本堂に向かう。仏像がところせましとならんでおり中央の厨子には平安時代の薬師三尊、その周りには鎌倉時代の個性豊かな十二神将、大和地蔵十福霊場の鎌倉時代の地蔵菩薩から奈良時代の塼仏まであった。堂内にボランティアの方がおられ参拝した善男善女にわかりやすく仏像を説明されていた。この十一面観音を井上氏は童形系列とかかわりあいが絶無と表現されるように厳しいお顔されていた。ところがボランティアのおじさんにかかると「酔っ払いのおっちゃんがとっくりさげている」との説明だった。霊山寺には大仏開眼を務めたインド僧菩提僊那の墓所があり、創建は小野妹子の子小野冨人だというからものすごく歴史がある寺院だ。井上氏は「古佛」で十一面観音の由来を語る資料や伝承はないが菩提僊那とつながる可能性を考えてもよいと書いている。奈良にはまだまだ謎多き仏像や寺院があると感じた。仏像の写真の絵葉書を購入して寺をあとに西ノ京に向かった。


2021年11月8日月曜日

京都奈良2021①


今日(11月6日)から一年ぶりに仏像の旅に出かけている。今日は京都ゆっくり仏像巡りと銘打って、訪問寺院は最澄展でご本尊の素晴らしさに感動した法界寺と快慶の弥勒菩薩を僧侶が案内するツーアをネット予約した醍醐寺とみうらじゅん氏おすすめの長楽寺だ。法界寺ではご住職に薬師如来の素晴らしさに感動した話をしたら喜ばれたり、醍醐寺で快慶仏が持つ五輪塔の宗教的意味を長々と講話を聞いたり、長楽寺の准胝観音お前立ちの小ささに驚いたりなかなか忙しく過ごした。明日は奈良のお寺を巡る予定だ。