2016年3月26日土曜日

千手院の五智如来

今週の月曜日の振替休日に仏像クラブの面々と東京根岸の千手院を訪れた。
私はかねてより「東京仏像さんぽ」という本を愛読しており、平成24年の護国寺や毎年行っている七福神巡りなどで参考にして仏像クラブの計画を練っていた。今回の千手院も作者が「圧倒的な装飾の五智如来」と紹介しているので期待して訪れた。お寺につくと本堂の千手観音がご開帳で、双眼鏡で覗くと元禄ごろ作られた細かい42本の手を持つ千手観音が祀られていたのでそちらを先に参拝した。肝心の五智堂は鍵がかかっており中に入れないと慌てていたら、若い僧侶が現れ五智堂の中に入れてもらった。暗いお堂に電灯がつけられ、五体の如来像がずらりと並んでいた。左から阿閦如来(あしゅくにょらい)多宝如来・大日如来・阿弥陀如来・釈迦如来で坐像の台座には過剰とも言える細かな装飾が彫られている。仏像は江戸時代の製作のため新しい感じはいなめないが、悟りを開いた如来らしい深遠な視線でこちらをみつめていた。お寺の方にお礼を言って近くのこごめ大福で有名な和菓子屋へ向かった。昼食をとった日暮里の串カツ屋で串カツをつまみながら本日の仏像についておおい語った仏像クラブの面々だった。

2016年3月21日月曜日

四国遍路と土佐のほとけ⑤(竹林寺の阿弥陀如来)

昨年の多摩美大美術館開催の「四国遍路と土佐のほとけ」展の会場は2階と1
階にわかれており、2階から展示を見てから1階のお遍路さんの展示品を見た。2階の仏像が湛慶の大日如来や笑い地蔵のような個性的仏像が揃っていたため、つい見逃してしまいがちなのが、1階に特別出展として展示された竹林寺の阿弥陀如来だ。安阿弥陀様式の像高1メートル弱の美しい仏像で、光背の装飾も美しい。写真集「四国の仏像」でその美しさを再発見した仏像だ。

2016年3月12日土曜日

江ノ島神社の弁財天

私が「水-神秘のかたち」展に注目したのはNHK「新日曜美術館」の番組HPに、
この江島神社の弁財天の写真が掲載されていたのを見たのが、きっかけだった。展覧会のタイトルからは仏像の出展が想像できなかったが、その後その番組をみたりBSの番組を見て、水にかかわる神仏の展覧会だとわかった。滋賀県のMIHO MUSEUM所蔵の本作は安芸の宮島、近江の竹生島とともに日本三弁財天のひとつ江島神社にもとあったと伝えられている。福々しい肉付きをみせる顔や腹、目尻を下げた表情などは福神としての性格を濃厚にしている。展覧会に導いてくれた弁財天に感謝し会場をあとにした。

2016年3月5日土曜日

観音ミュージアム

今週の日曜日、鎌倉長谷寺の宝物館が「観音ミュージアム」としてリニューアル
オープンしたのででかけた。展示室は1Fと二階にわかれており、一階は平常展示で長谷観音の映像での紹介と長谷観音の江戸時代のお前立ちと三十三応現身が展示されていた。以前、長谷観音の前に置かれていたとき見た御前立ち十一面観音と印象が違いミュージアムに入る際きれいにに修復されておりすばらしかった。眷属の三十三応現身も御前立観音をくの字型に囲む展示ケースの中に収まってており、暗い室内に照明ライティング効果で劇的見せる展示となっている。3月28日までオープン展として「長谷寺・仏教美術の至宝」が開催されており、多くの仏像を拝観することができて、よかった。ちょうど梅と河津桜が見ごろを迎えて長谷寺の庭を散策するため観音ミュージアムをあとにした。