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2025年1月19日日曜日

浄瑠璃寺の不動三尊

昨年の秋になるが、9年ぶりに浄瑠璃寺を訪問した。修復完成した九体阿弥陀は確かに綺麗になったが、やはり私を引きつけたのはこの不動三尊だ。今は、九体阿弥陀如来座像がずらりと並ぶ本堂の脇壇に置かれているが、寺の古い記録が鎌倉時代建立と伝える護摩堂の本尊だったと見られる。迦楼羅が口から吐く炎を表現した火炎光背を背に、二童子を従えて立つ不動明王は威厳たっぷりだ。三尊全体が黒っぽいのは護摩堂で炊く護摩の煤に覆われているからであろう。特に火炎光背は本来紅蓮の炎を表す朱で表現されるが真っ黒だ。二童子に注目すると、合掌する矜羯羅童子はおとなしい雰囲気だ。杖とする木の枝に上体をあずけ、横目遣いの制吨迦童子はいたずらでもたくらんでいそうな感じで、三者三様絶妙の均衡がこの群像の見所であろう。当初の彩色と載金がよく残っている名作だと改めて思い、大判の写真を購入し浄瑠璃寺を後にした。


 

2024年12月28日土曜日

岩船寺の弁財天



浄瑠璃寺から古寺巡礼バスで岩船寺について早速本堂を拝観した。ここ岩船寺は聖武天皇が勅願し行基が創建したと伝わる。本堂の表におわすのが、平安時代の阿弥陀如来で二天像を従えている。最近戻られたという普賢菩薩は修復中で会えなかったが木津川市の主催する秋の特別公開にて如意輪観音や弁財天に会うことができた。奈良時代の弁財天は聖武天皇が護国思想の拠り所とした「金光明最勝王経」に基づいて八臂(8本の腕)に武器を執る姿だった。こちらの弁財天は2本で宝珠と鍵を執る姿は非常に珍しいとのこと。以前から見たかった弁財天を拝観できてよかった。団体は奈良に戻ったのか境内の人がまばらになったので、三重塔の初層開扉を見たり屋根にとりついた邪鬼を見たりして加茂行きバスがくるまでおもいおもいに過ごした。



 

2024年12月7日土曜日

聖地南山城リターンズ(西明寺の薬師如来)


 浄瑠璃寺・岩船寺と巡ったあと加茂でバスをおり前行った蕎麦店で昼食をとり、加茂エリアで特別開扉を行っている西明寺の薬師如来を拝観にいった。加茂駅から20分ぐらいの観光協会の案内だったが、30分以上かかってお寺に到着。住職は若い人に変わっており、仏像の制作年代も「古すぎてわからない」との回答だった。見たことがある仏像だと思ったら、2023年奈良博開催の特別展「聖地・南山城」に出展されていた。解説によると、像内墨書によると1047年の制作とのこと。瞼の抑揚が強い両眼、鼻梁の太い鼻や肉厚で引き締まった唇がつくる厳しい表情や、着衣に深く刻まれた翻波を交えた衣紋など、総じて銘記にいう年代よりもも以前の様式を留めている。像内墨書の年代は定朝が宇治平等院阿弥陀如来をつくったころだが、南山城と奈良に近い特性から前の時代の作風が影響されたと図録は結んでいる。あながち住職のいったことも的を得ていえると感じた。御朱印勉強中とのことでもらえなかったが、次のお寺へ向かった。


2024年11月4日月曜日

修復新たに九体阿弥陀如来拝観


2日目(11月3日)京都を早く出て奈良に向かい近鉄奈良で奈良交通主催の木津川古寺巡礼バスにて9時過ぎに浄瑠璃寺についた。本堂に入ると中は少し薄暗く左手で目を光らせているのが四天王の持国天・増長天だ。その横から平成30年度より五カ年の計画で実施された保存修理で新たになった九体阿弥陀が並ぶ。明治の修復から110年ぶりの大事業で、昨年3月に完成した。綺麗に修復された光背の頭光と光脚に当初の部材を残すほか、九重蓮華座も蓮弁の一部をのぞいて造立当初の姿を伝えている。ヒノキ材とみられる針葉樹林製で奈良博山口学芸員によると充実した作風の中尊は11世紀で、左右に並んで安置される定印造八体については12世紀当初に追加されたという説を紹介している。有名な浄瑠璃寺吉祥天や地蔵菩薩、鎌倉時代の個性的な不動明王・矜羯羅童子・勢多迦童子と拝観する人を飽きさせない仏像の配置が並ぶ。大判の写真を購入し本堂を出てご開帳の三重塔へ向かった。いつ来ても充実した仏像群が並ぶ浄瑠璃寺であった。

2023年9月24日日曜日

特別展「京都・南山城の仏像」②(海住山寺奥院十一面観音)

会場に入るとまず目に飛び込んでくるのが、この海住山寺の奥院十一面観音だ。平安時代の作で壇像を思わせる小像だが、カヤを白檀にみたてて製作された可能性がある仏像だ。ガラスケース越しだが近くで鑑賞できる。海住山寺は木津川を望む三上山中腹の瓶原の風光明媚な地に立つ。海住山寺本堂の本尊も十一面観音だが、かつて浄土信仰を広めた鎌倉時代の解脱上人貞慶が奥院に住し、朝な夕なに念持仏としたとの伝承がある。十一の頭上面は頂上に仏教を修行する人に無上の仏道を説く仏面、前三体は善い行いをする人に安らぎ与える菩薩面、左右には悪い行いの人の心を改めさせる瞋怒面、清浄な行いの人を励まし仏道に勧める牙上出面があり、一番うしろにはみうらじゅんが言っていた暴悪大笑面はひとびとのさまざまな行いを笑い、悪を改めて仏道に向かわせることを意味している。会場では大きく拡大した写真パネルで展示。われわれを良い行いをして仏道に向かわせる仕掛けとなっている。最初からパンチを食らった気分で次の展示品に向かった。


 

2023年9月18日月曜日

特別展「京都・南山城の仏像」①


 本日(17日)残暑厳しい中東京上野の東博に浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念特別展「京都・南山城の仏像」を仏像クラブの面々と出かけた。今回は奈良博で見た「聖地南山城」とは違い一部仏像を入れ替えて仏像に特化した展覧会となっていた。会場の特別5室に入るといきなり海住山寺の国宝十一面観音がガラスケースの中展示されていた。仏像に特化した展示らしく十一の頭上面の拡大写真があるパネルが展示されており、目を凝らしてみなくてもよくわかる仕掛けになっていた。U案内人も興奮気味で声が大きかったので天井に響くのでと注意したほどであった。東博だけ展示の阿弥陀寺薬師如来や浄瑠璃寺の広目天・多聞天、期間限定の浄瑠璃寺地蔵菩薩や行快作阿弥陀如来など東博色を出そうとしている学芸員の意図が随所に見られた。聖地南山城展で同じみ寿宝寺千手観音・金剛夜叉・降三世明王や像高3メートルの禅定寺十一面観音も先ほどの海住山寺と同様10の頭上面のクローズアップ写真パネルも展示されており十分に楽しめた。グッズのコーナーで図録購入後二手に分かれてわれわれは11室の仏像や河口慧海の特集展示でネパールの菩薩像をみてから再集合し御徒町の天ぷら屋に向かった。天ぷら屋でおいしいお酒とてんぷらを食しながらおおいに語る仏像クラブの面々であった。