2023年9月30日土曜日

特集日本人初のチベット探検ー僧河口慧海の見た世界ー

 

京都・南山城の仏像展鑑賞後、お昼の天ぷら屋まで時間があったので、東博本館11室の仏像と14室の特集日本人初のチベット探検-僧河口慧海の見た世界-の展示を仏像クラブの面々と鑑賞した。東博所蔵のチベットの仏像に出会ったのは2017年9月の東洋館地下で開催された特集「チベットの仏像と密教の世界」であったがそのとき東博初公開のチベットの仏像世界に魅了された。今年は日本人初のチベット探検家僧河口慧海に注目した展示となっており、メインの展示はなんとネパールの菩薩立像だ。ネパールは1995年11月に訪れブログでも紹介したが圧倒的に多かったのが330万の神様でほとけ様の仏像も少なからず町で見かけたが、金色に輝いていたり官能的であっりして、このような日本人好みの木彫の仏像を見かけることはなっかたが、イギリス・ロシアの侵出を恐れて国を閉ざしたチベットに入国するのに4年滞在したネパール王国で河口慧海がみつけた一品であったのだろう。1973年に慧海コレクションが東博に寄贈されて50年の展示とのこと。次回は内外のチベット仏教美術の特別展開催を見てみたいと思った。

2023年9月24日日曜日

特別展「京都・南山城の仏像」②(海住山寺奥院十一面観音)

会場に入るとまず目に飛び込んでくるのが、この海住山寺の奥院十一面観音だ。平安時代の作で壇像を思わせる小像だが、カヤを白檀にみたてて製作された可能性がある仏像だ。ガラスケース越しだが近くで鑑賞できる。海住山寺は木津川を望む三上山中腹の瓶原の風光明媚な地に立つ。海住山寺本堂の本尊も十一面観音だが、かつて浄土信仰を広めた鎌倉時代の解脱上人貞慶が奥院に住し、朝な夕なに念持仏としたとの伝承がある。十一の頭上面は頂上に仏教を修行する人に無上の仏道を説く仏面、前三体は善い行いをする人に安らぎ与える菩薩面、左右には悪い行いの人の心を改めさせる瞋怒面、清浄な行いの人を励まし仏道に勧める牙上出面があり、一番うしろにはみうらじゅんが言っていた暴悪大笑面はひとびとのさまざまな行いを笑い、悪を改めて仏道に向かわせることを意味している。会場では大きく拡大した写真パネルで展示。われわれを良い行いをして仏道に向かわせる仕掛けとなっている。最初からパンチを食らった気分で次の展示品に向かった。


 

2023年9月18日月曜日

特別展「京都・南山城の仏像」①


 本日(17日)残暑厳しい中東京上野の東博に浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念特別展「京都・南山城の仏像」を仏像クラブの面々と出かけた。今回は奈良博で見た「聖地南山城」とは違い一部仏像を入れ替えて仏像に特化した展覧会となっていた。会場の特別5室に入るといきなり海住山寺の国宝十一面観音がガラスケースの中展示されていた。仏像に特化した展示らしく十一の頭上面の拡大写真があるパネルが展示されており、目を凝らしてみなくてもよくわかる仕掛けになっていた。U案内人も興奮気味で声が大きかったので天井に響くのでと注意したほどであった。東博だけ展示の阿弥陀寺薬師如来や浄瑠璃寺の広目天・多聞天、期間限定の浄瑠璃寺地蔵菩薩や行快作阿弥陀如来など東博色を出そうとしている学芸員の意図が随所に見られた。聖地南山城展で同じみ寿宝寺千手観音・金剛夜叉・降三世明王や像高3メートルの禅定寺十一面観音も先ほどの海住山寺と同様10の頭上面のクローズアップ写真パネルも展示されており十分に楽しめた。グッズのコーナーで図録購入後二手に分かれてわれわれは11室の仏像や河口慧海の特集展示でネパールの菩薩像をみてから再集合し御徒町の天ぷら屋に向かった。天ぷら屋でおいしいお酒とてんぷらを食しながらおおいに語る仏像クラブの面々であった。

2023年9月9日土曜日

出雲仏像の旅④(千手院の不動明王)


 出雲2日目出雲市駅より松江に向かった。松江市の観光協会で教えてもらった、うなぎ屋で腹ごしらえをして、喫茶店から次の千手院に電話するとご住職が出かけれ用事があるので早く来てほしいとのこと。急遽タクシーを呼んでもらいお寺に向かった。ご住職の話では、ここ千手院は松江城の鬼門にあたり鬼門封じの寺として建立されたとのこと。不動明王は行基作との伝承があるが平安時代の作。「祈りの仏像」図録によるとおよそ半丈六の巨体の頭体幹部を一木割矧造りとする古様な構造を採用する。かたや十九観相による醜悪な表情ながらも和様化の進んだ典雅な美作で、たくましい太造りの肉体にまとう着衣には鋭くも整然とした衣文が流れている。仏師定朝が大成した和様彫刻の影響下にありながら、前代的なボリューム感の木彫様式を受け継ぐ過渡的な造形性が看過され、十一世紀半ばの製作と考えられるとのこと。御朱印をいただきお寺をあとに玉造温泉に向かった。