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2025年7月27日日曜日

洛陽三十三所観音霊場②(今熊野観音寺)

 

今年5月に行った関西方面の仏像旅行では奈良博「超国宝展」・京都非公開文化財特別公開2025・新指定国宝重文展とあまたの仏像に出会えたが、3月から巡礼した「洛陽三十三所観音霊場巡礼」も継続してみて回った。最後は泉涌寺界隈に入り午後のいい天気のもと新緑に映える寺を巡ったが、中でも印象に残ったのが今熊野観音寺だ。泉涌寺塔頭を巡るメインストリートから少し中に入ると広大な今熊野観音寺の境内に入る。よく整備された庭を進むと本堂他の堂塔が立ち並び新緑に囲まれまるで別世界のようだった。今熊野観音寺は平安時代前期、嵯峨天皇の勅願で弘法大師が開創したと伝えられ、ご本尊は弘法大師が熊野権現より授かった1寸8分の十一面観音菩薩。秘仏(通常非公開)のため、御前立が立たれている。脇仏は智証大師円珍作と伝えられる不動明王・運慶作と伝えられる毘沙門天。本堂にはその他に大聖歓喜天(聖天)・薬師如来・准胝観音・三面大黒などが祀られている。御前立ちは正面からはふっくらした観音だが、横顔は美少年で「洛陽三十三所観音霊場巡礼」の結願記念にもらえる手ぬぐいのデザインにもなっている。参拝して最後の寺泉涌寺に向かった。

2025年3月15日土曜日

洛陽三十三所観音霊場①(清水寺善光寺堂如意輪観音)


 清水寺は「JRディスティネーションキャンペーン京の冬の旅2025」の随求堂大随求菩薩目当てで訪問する予定だったが、出発前日に「別冊旅の手帳京の冬の旅」を読んで見ると、清水寺善光寺堂・朝倉堂・本堂・奥の院・泰産寺も御開帳が行っているとの情報が記載しており、急遽午前中に予定していた禅寺訪問を取りやめ午前中は清水三昧にコース変更して出かけた。清水道から長い清水坂を登り切ると、清水寺仁王門と三重塔が見えてきた。左に小さなお堂が見えてきたが、いつもは通りすぎるがこれが地蔵院善光寺堂だ。入口にお地蔵さんがあったが、あとで知ったが首振り地蔵といって江戸期の幇間(太鼓持)鳥羽八を写したものとのこと。善光寺堂に入ると像高94センチの木造如意輪観音が鎮座していた。如意宝珠と宝輪の力で、苦を除き、利益を与える玉眼入りの鎌倉時代の仏像だ。私は一目でこの仏像が好きになってしまった。まさにみうらじゅんが言う「法輪ラブ」状態になってしまった。一面六臂のヒノキ材の寄木造で目尻を少し上げた顔立ちや髪の毛筋彫りの装飾的表現などから、鎌倉時代後半に造られたものとみられる。首をわずかに傾げ、右膝を立てて座る六臂の複雑な動作が破綻なくまとめ上げられている。清水寺の奥深さに驚愕し次のお堂に向かった。