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2024年6月22日土曜日

特別展「法然と極楽浄土」②(誕生寺阿弥陀如来)

 

法然が活躍した時代は保元・平治の乱や治承・寿永の乱など騒乱が多い時代だった。源平の一の谷の戦いで平家の公達敦盛を泣く泣く首をはねた熊谷直実の物語は有名だが、その直実が法然の下で出家し、熊谷蓮生法師として岡山の誕生寺や長岡京の光明寺を創建したことはあまり知られていない。誕生寺の創建は幼いころ争いに巻き込まれ父を亡くした法然が美作国稲岡庄に弟子の蓮生を遣わし、法然所持の仏像を持参した熊谷蓮生法師が屋敷跡を寺院に改めたことが始まりとのこと。本像は快慶一派によくみられる三尺阿弥陀で来迎印を結ぶ安阿弥様のヒノキの寄木造。解体修理の際、中から印仏が見つかり「法然上人御生所御本尊」の墨書があり当寺こそ法然の生誕地で、本像は旧本尊である可能性が高まった。製作背景に法然の百回忌を想定する説もありいずれにしても熊谷蓮生法師の活躍で誕生寺にある仏像かその小像を模して作った仏像であろう。歴史の面白みを感じて次の作品に向かった。

2024年4月30日火曜日

特別展「法然と極楽浄土」①

 


昨日、U案内人と東京上野で東博開催の特別展「法然と極楽浄土」を見に行った。御徒町の「とんかつ山家(ヤマベ)」で腹ごしらえをして季節外れの猛暑の中、東博に向かった。本展は鎌倉仏教の一大宗派・浄土宗の歴史を通覧する史上初の展覧会とのこと。事前に雑誌で予備知識を入れてから仏教に詳しいU案内人の説明を聞きでかけた。第1章「法然とその時代」では法然の著作と教えが書かれた「選択本願念仏集」や法然の生涯を表した「法然上人絵伝」が展示されていた。また當麻寺所蔵の「法然上人座像」も展示されており生前のリアルな上人の面影がわかりよかった。第2章「阿弥陀仏の世界」では法然の誕生の地に立つ岡山誕生寺の地蔵菩薩や国宝「阿弥陀如来来迎図」(早来迎)などが展示され、第三章「法然の弟子たちと法脈」では當麻曼荼羅や弟子の像が第四章「江戸時代の浄土宗」では増上寺の五百羅漢図や知恩院の八天像が展示されていた。私的に一番興味があったのが、香川法然寺の涅槃群像で釈迦入滅の場面を描いた群像彫刻だ。写真撮影もできたので一番弟子阿難が倒れ込む様や動物まで泣いている様を夢中で撮影した。2時間近く拝観し「令和六年国宝・重要文化財展」の会場に向かった。