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2025年1月11日土曜日

特別展「眷属」②(興福寺東金堂の安低羅大将)




2013年の芸大美術館開催の「興福寺仏頭展」から10年をへて今回の安低羅大将との再開である。芸大美術館では多くの十二神将と一緒に展示されていたが、改めて単独でみてもすばらしい仏像だと感じた。甲を着け、兜の頂に十二支の猿の頭部(後補)を表す。眉を寄せてにらみ、力を込めた顔面には筋肉や血管が浮き上がる。左足に重心を乗せて立ち、右手は肩の前に挙げて宝棒を執り、左手は第二指を伸ばして腰の横で軽く握る。他の十二神将の墨書より年号が発見され、抑揚に富んだ力強い造形や動的な姿勢などから、この頃の慶派の作と考えられる。安低羅大将は他の十二神将に比べ静的な印象だがかえってそれがうちに込めた力強さを表し、一緒にいった友人が惚れてしまったほどだ。鎌倉時代の「北斗の拳のケンシロウ」を思わせる十二神将だった。



2024年12月14日土曜日

特別展「眷属」①


 今年の京都仏像の旅は雨天で知恩院三門を訪問した時は皆さん観光をやめて雨宿りをしているほどの雨だった。おかげでじっくり仏像や天井画を拝観できたが、時間も三時を回っていたので、京都駅から西本願寺にバスで向かい、近くの龍谷ミュージアムに秋期特別展「眷属」鑑賞に切り替えることにした。京都駅につくと雨はやんでいたが予定していた非公開寺院に向かわず展覧会のチケットを購入して入場した。会場で最初に出迎えるのは、愛らしいけれど、よく見ると表情が対照的な二人の子供の像。四天王寺不動明王に仕える矜羯羅童子・制吨童子だ。音声ガイドもこの二人が進める進行でアニメ声優の解説ですすめるユニークなつくりだ。第一章「眷属てなんだ?」では仏画でさまざまの眷属の姿が紹介される。第二章「護法の神々」ではインド由来の神々が仏教に帰依し仏を護る護法神のコーナーで仏頭展で見た興福寺東金堂十二神将のうち安貞羅大将が展示されていた。堂内で12体一緒に展示されていた仏頭展と違い一体に注目することで、眉を寄せてにらみ、血管が浮き上がる顔つきつきがよくわかる。これからあとの章はまたの機会でのべることとした。特別展眷属の帰りに歩いて京都に戻りいったん宿にもどった。