2022年9月23日金曜日

東林院の弥勒菩薩

 

8月23日に南淡路からタクシーで徳島に移動し、途中車中から鳴門の渦潮を忙しく観光しながら、徳島駅に向かった。ローカル線なのでタクシーを乗り換え東林院に向かった。このお寺を知ったのはみうらじゅん・いとうせいこう出演の新テレビ見仏記で訪問したからだ。観光のお寺ではないが恰幅のいいご住職が快く迎えてくれた。東林院は四国八十八ケ所第一番札所霊山寺の奥ノ院という位置づけだが訪れる人もなく住職に何で知ったか驚かれた。東林院は天平時代行基により創建されたとういう伝説があるものの、平安時代に空海が訪れ真言密教の寺として再興された寺院とのこと。客仏の弥勒菩薩は平安時代後期の寄木造の像高1メートル足らずの座像だ。印相は手のひらをこちらに向ける説法印の変形か、金箔もよく残っている。絵葉書がないので住職に断って写真撮影させていただいた。ご住職の好意で便がいい駅まで送っていただき、お礼を言ってお寺を後にした。おかげさまで徳島にも早くつき、昼食の徳島ラーメンをいただき、午後の井戸寺に向かった。

2022年9月18日日曜日

特集「チベット仏教の美術」


 9月4日に東博平成館に特集「チベット仏教の美術」を見に行った。東博所蔵のチベット仏教美術を見るのは2017年の東博東洋館依頼となったが、前回は仏像中心であったが今回は仏画・工芸品・書籍の優品と河口慧海の遺族から寄贈されたアジア各地の仏教美術とともに紹介する東博創立150年記念特集となっている。会場に入るとお馴染みのチャクラサンヴァラ父母仏立像の背後にガルバ・ヘーヴァジュラ十七尊曼荼羅が展示されており、インフォメーションでもらったパンフレットの表紙のような心憎い演出がされていたが、前期の曼荼羅と入れ替わっており残念だった。お馴染みの清の乾隆帝が愛した除蓋障菩薩坐像も展示やチベット仏教の胸がふくよかな女神像白色ターラー菩薩坐像に夢中になった。工芸品も見る価値がある展示が多くなかでも盤 白色如意宝珠マハーカーラは延命長寿や繁栄をつかさどるマハーカーラを景徳鎮で焼き上げた逸品となっており思わず引き込まれた。河口慧海請来品のネパールの菩薩立像などもあり小展示室なれど見ごたえ十分な展示となっている。多くの館蔵品を携帯のカメラで撮影して東博をあとにした。

2022年9月3日土曜日

特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」④(満願寺の観音菩薩)

 

運慶 鎌倉幕府と三浦一族展の中ほどに像高224センチ余りの巨大な観音菩薩・地蔵菩薩が見えた。これが満願寺の観音・地蔵菩薩だ。仏像クラブでは何度もお寺の収蔵庫で拝観したが、展覧会で見るのは東博運慶展以来久しぶりだ。満願寺は三浦一族の佐原義連(よしつら)の創建だが金沢文庫の仏の瀬谷さんは義連創建にその大きさから疑問を呈している。満願寺の菩薩像は周八尺像で通常の丈六像の4分3くらいのサイズ。和田義盛が建てた浄楽寺の本尊ですら半丈六であり、北条時政の願成就院の本尊も半丈六。それは丈六仏の造立は幕府=源頼朝が独占しており、造仏においても鎌倉殿を頂点とした序列化が図られていた。このように考えると満願寺の菩薩像を造ったのは頼朝その人であるという答えが自ずと導き出されると断定している。吾妻鏡にも頼朝のが三浦願矢部郷に一堂を建立したという記事から木造のあった三浦義明のために追善像として頼朝が創建したとのこと。また地蔵・観音の脇侍の組み合わせは珍しいが松崎吉田寺の例を挙げている。つまり満願寺にも丈六の巨大な阿弥陀像があったということになり想像が膨らむ。U案内人も一番印象を受けたらしくしばらくたってからも満願寺観音・地蔵菩薩のことを熱く語っていた。


2022年8月30日火曜日

淡路徳島仏像巡礼③(丈六寺の聖観音)

若い時分,四国の香川・徳島・高知と巡り徳島の丈六寺にも行ったことがある。(たぶん見仏記の影響だが)淡路徳島仏像巡礼3日目(8月24日)徳島駅からバスに乗り丈六北で降りた。しばらく歩くとやすらぎの小路という町の住民が整備し、鯉を放し飼いにしている気持ちいい道をいくと丈六寺に着いた。重文の三門の横をくぐると境内に着いた。案内する人もいない境内をまずは観音堂へと進む。木の格子から薄暗い観音堂内部を見ると奥に座っいるのは懐かしい4メートル弱の聖観音だった。灰色にすすけた観音は見仏記によるとOKサインを出し左手を股の間に置いて握っていた。観音の驚くほど大きな左手の甲から蓮が飛び出している様は私には自然に見えたが、見仏記ではそそり立ったぺニスを誇示するかのようだとのこと。案外的を得た答えかもしれない。薄暗いので、よく見えなかったが、横の立て看板には光背には飛天もついており、全体が燃え上がる怪しい炎になっている。素晴らしい観音に再会し感動し、くりで御朱印を頂きこの旅の最後の巡礼を締めくくった。徳島に戻りスダチサワーと新鮮な刺身、美味しい煮魚で旅を満喫し帰路に着いた。

2022年8月27日土曜日

淡路徳島仏像巡礼②(井戸寺の十一面観音)

淡路徳島仏像巡礼の2日目(8月23日)、四国八十八ヶ所札所17番札所井戸寺に向かった。徳島駅で次の電車の時間を聞こうとしたら、府中(コウ)駅行きはあと1分で出ますという回答でいそいで電車に乗り込んだ。府中駅を携帯で調べる間もなく到着し、親切なご婦人の誘導で50分かけ井戸寺に到着。この井戸寺には見仏記でみうらじゅんいとうせいこうも訪れており、みうらさんにいたっては女性的を通りこし女性としか見ておらす、当時はグラビアアイドルや往年は洋画スターに例えている、見仏記を頼り仏像を説明すると像髙は二メートル弱の大きさの十一面観音、そして日光月光菩薩だった。平安時代の作といわれる、少々寸詰まりではあるものの存在感を豊かにあらわしていた。特徴的なのはなんといっても唇で、鼻と同じくらいの高さまで上唇を突きだしているのだ。つまり地方仏の特徴を女性的表現とらえ表している。いまでは明石海峡も鳴門海峡もクルマでさっと渡れる時代だがむかしは舟でしか渡れなかった仏師が想像で都の仏を作るのは致し方ないと思った。仏像の彩色は井上正先生によると鼠色の地粉地に丹が置かれ赤白檀を意識した彩色になっている。タクシーと電車を乗り継ぎ今夜の宿に猛暑の中向かった。