2019年7月19日金曜日

日光山輪王寺の三仏尊

毎年夏には遠出を計画している仏像クラブだが今年は満を持して日光山輪王
寺を参拝した。平成25年に末寺の中善寺に立木観音を参拝した以来5年ぶりになる。東武日光駅で観光ガイドのおじさんから入手した情報によると本日は三代将軍徳川家光の墓所があり仏教美術の宝庫である「大猷院(だいゆういん)」が午前中のみの参拝のため急いで世界遺産めぐり手形を購入してバスに乗り込んだ。輪王寺に着くとすぐ常行堂に参拝し平安時代の阿弥陀五尊像を拝観した。その後、「大猷院」に向かい仁王門の金剛力士、二天門の持国天・広目天、夜叉門の4体の夜叉を参拝して、重文の唐門から「権現造」の国宝拝殿の中に向かった。大猷院は家光が徳川家康の東照宮より派手にならないように黒を基調とした拝殿になっており落ち着いた感じがよかった。その後三仏堂に向かい増高7.5メートルの阿弥陀と千手・馬頭観音を拝観した。9年の修復を終え今年から参拝できるようになった三仏尊は地下の回廊から見上げると、とても迫力があり結縁もでき参拝できてよかった。お寺の僧によると修復に修復を重ねたためいつの時代のものかわからないとのこと。以前参拝したU案内人は様式からして室町時代を下らないだろうという見解だった。輪王寺だけで2時間参拝したので駅前の食堂に向かい湯波づくしの料理を食べながら今見て来た世界遺産輪王寺についておおいに語る仏像クラブの面々だった。

2019年7月13日土曜日

特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」②(岡寺の菩薩半跏像)

岡寺の開基は飛鳥時代後期から奈良時代初頭に活躍した義淵僧正だが、義淵
僧正はかつて天武天皇の息子で壬申の乱に活躍した草壁皇子と共に育ったため岡本宮を与えら岡寺を創建したとのこと。この仏像は創建当初から伝えられた仏像で岡寺の高さ5メートルの本尊如意輪観音の胎内仏として伝えられた。東大寺にも聖武天皇の念持仏で同様の菩薩半跏像が伝えられているがこちらは岡寺の歴史にかかわる遺品としか図録には書かれていないが、念持仏であったのか。義淵僧正が草壁皇子に関わることからその母で天智天皇の娘で天武天皇の夫人持統天皇ではないかと私は考える。早くに息子草壁皇子を亡くし、孫の聖武天皇の成長を祈ったのではないだろうか。仏像を前そのようなことを考え次作品に向かった。

2019年7月6日土曜日

特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」①

先週の土曜日、以前楽しみにしていた特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」
を鑑賞しに東博に出かけた。この企画展では奈良県北東部に所在する岡寺、室生寺、長谷寺、安部文殊院の四寺から国宝4件・重文8件を含む名品を展示するとのこと。今年の春に「うましうるわし奈良キャンペーン」を奈良大和四寺でやっており品川駅のサムネイル画像でご本尊の姿を毎日見て盛り上がっていたが、ついに室生寺の十一面観音や釈迦如来に再会できると思いあいにくの天気だったが心晴れやかに東博に向かった。東洋館VRシアターで「空海祈りの形」をみてから東博本館に向かうと室生寺釈迦如来の横顔の大きなバナーが見えて来た。いつもの11室に入ると国宝・重文のすばらしい仏像であふれていた。入口には銅造の長谷寺十一面観音が展示されており中のガラスケースには岡寺の名品、菩薩半跏像が展示されていた。露出展示のコーナーでは岡寺の義淵僧正や国宝室生寺釈迦如来が展示されており、一番奥にはなんと室生寺十一面観音と地蔵菩薩が薄さ数センチの光背をつけて展示されていた。向かって左の露出展示には長谷寺の灘田竜王や赤精童子がお寺で拝観するより間近に鑑賞することができた。室生寺では展示施設を建設中らしくこの機会を逃すと身近に十一面観音を鑑賞する機会を逃すところだった。観覧料620円でこれだけ卓越した造形の仏像を鑑賞する機会に恵まれ大満足で東博をあとにした。

2019年6月29日土曜日

特別展浄土宗七祖聖冏(しょうげい)と関東浄土教①

16日のことになるが、紫陽花休暇で三連休だったため県立金沢文庫に「特別
展浄土宗七祖聖冏(しょうげい)と関東浄土教」を行った。聖冏上人は法然以後の浄土宗の基礎を築いた茨城県常福寺の僧で、芝増上寺の礎の一端を築いたとのこと。最初はあまり興味がなかったが、仏の瀬谷さん肝いりのプレスリリースを読み俄然興味がわいてきた。プレスリリースのタイトルは「那珂市浄福寺から貴重な鎌倉時代の仏像2件を発見。1、水戸黄門の所持した鎌倉時代最小の仏像2、浅草寺の柱で作った仏師快慶派の観音像」これは行かなくてはと思った。1階で聖冏上人像の説明を受けてから2階でポスターの表紙になっている銅造阿弥陀如来を鑑賞した。最近読んでいる「ミズノ先生の仏像のみかた」によると古代は蜜ろうで作っていた銅造仏像を鎌倉時代に入ると、木と土で作っているという。薬師寺の薬師如来に比べると表面の滑らかさが劣るように見えた。その後プレスリリースで書いてあった二つの仏像や贅をつくした水戸黄門の厨子に感動して会場をあとにした。

2019年6月22日土曜日

快慶展⑪(醍醐寺三宝院弥勒菩薩)

奈良博で快慶展が開催されてから2年経ったがいまだに快慶ブームが続いてい
るようだ。昨年も東博で「特別展京都大報恩寺快慶・定慶のみほとけ」が開催され、つい先日物議をかもした「運慶と快慶新発見!幻の傑作」という番組も放送された。いまだに思い出すのが奈良博特別展「快慶」の入口に展示されていた醍醐寺三宝院弥勒菩薩だ。一度、醍醐寺秋の特別公開で参拝した弥勒菩薩だが奈良博のドラマチックな照明に照らし出された仏の姿は感動ものだった。奈良博の山口研究員も「月間大和路ならら」で語っていたが「デビュー2作目目、個人的には最初期にして随一といえるほど優れた傑作です。」とのこと。後白河法皇追善の供養仏として製作され金泥塗を用いた最古の仏像だ。雨の日暗いお堂のなかでも渋く光っていた金泥塗のこの仏像が照明が当たることで落ち着いた光を放っいた。その秘密は金泥の製作方法にあり、粉末にした金箔が受けた光を乱反射されているからだ。快慶ワールドが一気に広がった感じがした忘れられない快慶仏だ。