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2022年7月2日土曜日

東大寺戒壇院千手堂の千手観音


 奈良で展覧会を見に行く予定だったGWの旅行で余った時間で見たい仏像を探していたが、小学館から「古寺行こう」と隔週ブックが発刊され、修理のため拝観停止した戒壇堂に代わり、東大寺戒壇院千手堂が2023年まで公開されている情報が載っていた。東大寺は秘仏が多く12月の法華堂執金剛神立像や10月の快慶作僧形八幡神などがある。いくつかは展覧会で見たがこの千手観音は初めて見る。千手堂に入ると中央の鎌倉時代の黒漆塗厨子の中に像高74センチの全身が金色に荘厳された千手観音像を装飾性に富む四天王像が取り囲む。千手観音はヒノキの寄木造で金泥を塗り、華麗な装飾を施されている。その像容から鎌倉時代後期の作と認められている。鎌倉時代後嵯峨院が東大寺僧に宮中の二間観音を下賜したと記録にありそれがあたるのか。京都から奈良に下賜されたならば院派仏師の製作かもしれない。円成寺のバスの時間も気になるので三好和義氏撮影の千手観音のクリアファイルと御朱印をいただき東大寺をあとにした。






2022年6月11日土曜日

雙林寺の薬師如来

 

京都国立博物館を出て以前から気になっていた円山公園にある雙林寺(そうりんじ)に向かった。京都非公開文化財特別公開をやっておりコロナで中断していた檀家のお嬢さんによる説明がやっていた。雙林寺は桓武天皇勅願で最澄創建の京都で最古級の天台宗寺院だ。日本で最初の護摩祈祷道場といわれている。拝観料を払って絵葉書を求めたが、この額絵のみとのことせっかくのご縁で購入して、お嬢さんの説明を聞いた。仏像はカヤの木の一木造りで像高85センチ、体格はがっしりとしているが、とても優しいお顔をされていた。お嬢さんがとくに強調していたのが翻羽式衣文で9世紀の仏像の特徴を備えている。歴史のある寺なのに境内が狭いのは隣に太閤秀吉の妻ねねの高山寺ができるにあたり広大な境内を献上したとのこと。京都人のしたたかさを感じ、お寺を後にし、ぎおん十二段屋の大えび天丼を食べに祇園に向かった。



2022年5月7日土曜日

正法寺の三面千手観音に出会う

祇園で大海老天丼をいただいて、大原野に向かった。宝菩提院願徳寺を参拝してから初めて行く正法寺に向かった。大原野のいい仏を探していたところ近くの正法寺に三面千手観音があるとネットで紹介されていたので向かった。確かに地図では近くだが高低差まで記載していなかったので慌てた。花の寺勝持寺の参道ではあるが高低差がある急坂を下ると店がある民家の近くに出てホットした。正法寺は鑑真の高弟が開祖の由緒あるお寺で本尊の三面千手は小浜の妙法寺でしか見たことない珍しい千手観音だ。お寺の案内では鎌倉時代初期の製作で像高181センチの寄木造りの仏像だ。ネット情報によると元は丹波の九品寺の本尊だったとのこと。張りのある顔、堂々とした体躯、左右のバランスが絶妙な手の配置がすばらしい。運慶のお株をとる高い髻や条帛・天衣・裳の表現も素晴らしく、近くの法菩提院の菩薩半跏像に影響されたのだろうか。京都に何度も通っていながらこの仏像を見落としていたと満足して素晴らしい庭園を時間の許す限り眺めていた。