2025年5月4日日曜日

奈良大阪京都仏像の旅③(北向山不動院の不動明王)



本日最終日竹田から安楽寿院に12年ぶりに参拝し、初公開の鳥羽天皇勅願所北向山不動院に向かった。12世紀このあたりに東西約1.7km、南北約1.1kmの、わが国最大規模の広大な鳥羽離宮があり梅の名所城南宮もその敷地で鳥羽天皇稜南端に北向山不動院があったとのこと。奈良仏師康助の現存する唯一の不動明王が公開されるので期待していた。そこには明らかに玉眼の不動明王が祀られていたのには驚いた。鳥羽上皇の命でわざと北向きに祀られていたが、平安時代の後期、玉眼の初期の例としては特筆に値する仏像だろう。山本館長も「12世紀半ばの作だというのに、鎌倉彫刻を先取りしたような斬新な作風が見られる」と紹介している。康助は孫ではなく弟子の康慶を後継者に指名し慶派創設の立役者となったことで知られいる。玉眼は運慶だけの専売特許のように思われがちだが、康助、康慶と引き継がれたものということがわかる不動明王だった。次の非公開文化財特別公開場所の中書島に向かった。



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