2025年9月13日土曜日

特別展「運慶」~祈りの空間興福寺北円堂①


 本日、東京国立博物館本館特別5室で開催されている特別展運慶祈りの空間ー興福寺北円堂を鑑賞しに仏像クラブで出かけた。10時過ぎに到着し本館特別5室に入場すると中央前に弥勒如来、後方に無著・世親が控えており周りを四天王(広目天・増長天・持国天・多聞天が囲むまさに祈りの空間が東博に出来上がっていた。弥勒如来は光背をつけず360(さぶろくまる)の露出展示でここが博物館とは思わせないしかけとなっている。興福寺北円堂弥勒如来は60年前の昭和41年に東京日本橋高島屋の「興福寺国宝展」で出陳されて以来のこと。東博も本尊の出陳を依頼する東博に祈りの空間を作ることで了解を得たと推測されると思う。なんといっても中央の弥勒如来が素晴らしく、平家の焼き討ちで焼失した北円堂の再建が他の堂宇から遅れて最後に再建されたため、運慶の脂ののりきった晩年期にあたったことがこのような傑作を生み出したのだろう。各像の解説は次回にまわすが、今年の奈良博「超国宝」の百済観音に匹敵する今回の展覧会だった。久しぶりの会でも珍しく弥勒如来について熱く語った仏像クラブの面々だった。

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