特別展「最澄と天台宗のすべて」⑨(大山寺観音菩薩)
京都国立博物館平成知新館の2F菩薩遊戯座像以外にもまだまだみるべき仏像が展示されていた。この大山寺観音菩薩もそのひとつで、飛鳥時代から霊峰伯耆大山の中腹に位置する天台宗別格本山大山寺に伝わる名品だ。U案内人も中国製だと断定したほど、優れた技術力に裏打ちされた仏像だ。この中国・北宋時代の仏像は化仏を配した大型宝冠を戴き、両肘を屈して手を前方に差し出し、左手に水瓶を、右手に宝珠を執る。精緻な造りの胸飾や瓔珞で全身を飾る。類似の作例は中国上海博物館にあり背筋を伸ばして両肘を張る姿勢や鋳造方法が似ているとのこと。伝来は北宋・大理国・遼とあり最近では明州で盛んに造像された普陀山観音像として造立された観音像として伝来した可能性が指摘される。他にも気になる仏像があるので先を進んだ。
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