2020年11月21日土曜日
2020年11月14日土曜日
特別展「聖衆来迎寺と盛安寺」②(盛安寺十一面観音)
11月1日に訪れた特別展「聖衆来迎寺と盛安寺」に出展された多くの仏像の中で最大の見どころは盛安寺の十一面観音であろう。白洲正子のエッセイで初めて紹介されたが、「先年、近江を廻っていた時、穴太の盛安寺という寺で、美しい十一面観音にお目にかかった」と書かれており、2011年愛媛県美術館開催の生誕百年特別展白洲正子「神と仏、自然への祈り」には出展されたが、私が行った世田谷美術館では出展されなかったので2014年にお寺で窓越しに参拝した。今回の特別展では露出展示で間近に拝観することができその美しさに感動した。四臂の珍しい観音像で上半身に条帛を左斜めにかけ、両肩から天衣をかけその両端は両脇を垂下して腕前で二重にU字に垂れ、合掌する両脇から体側に垂下し、両腕に臂釧を刻んでいる。複雑な着衣でありながら美しくまとめられている平安時代の優作とあらためて思った。白洲正子によると「土地の言い伝えでは崇福寺(天智天皇創建)に祀られていた」古佛と書かれていたが、最近の研究だろうか比叡山延暦寺に近い伊香立の天台寺院にあったという記録があるという。しかし白洲正子のエッセイにあるように崇福寺の唯一の遺品のほうがロマンがあると思う。大津京のあった大津市でそんなことを考え次の展示に向かった。
2020年11月7日土曜日
清水寺の二十八部衆
31日の夕方12年ぶりに清水寺に参拝した。前回は夜間桜のライトアップで大勢の善男善女が参拝し、U案内人の手招きで十一面観音お前立を見たが、その両脇におわす二十八部衆を参拝したのを覚えていなかった。感染症流行で人が少なめだったが、世界中に知られる京都の観光地だけあってそれなりに混んでいた。仁王門で写真を撮りながら舞台で有名な本堂に向かう。8月の千日詣りには内々陣の特別拝観があるが、今回は紅葉し始めの木々が映える夕方ねらいでいったため内陣からライトに照らされた十一面観音お前立を拝観。両脇を見ると薄暗い中二十八部衆が居並んでいた。見仏記のみうらじゅん氏のコメントには「薄暗いお堂の中で仏の世界観はまるでパノラマのように・・・清水寺恐るべし」とのこと。私も同感した。メモリ基盤のようにぎっしり並び、濃密な意味を持った仏像が肩を寄せ合っている。その濃さそのものが密教ではないか。売店で清水寺の写真集を購入し御朱印をいただこうと思ったが若い女性ばかりの長蛇の列だったのであきらめた。奥ノ院で改装された本堂の大屋根の写真を撮り、早々下山し、今夜の宿に急いだ。
2020年11月2日月曜日
特別展「聖衆来迎寺と盛安寺」①
京都の宿を8時頃出てまず向かったのが大津歴史博物館だ。現在開催中の『特別展聖衆来迎寺と盛安寺』を鑑賞するためだ。盛安寺にはタクシーで南近江の仏像を巡りしていた頃、観音堂の外から鑑賞したことがあったが、聖衆来迎寺は寺の行事があり拝観を断られたが、今回も露出展示もあり二つのお寺の仏像をじっくりと見れるまたとない機会となった。大津歴史博物館開館30年記念の展覧会とのことで大河ドラマ明智光秀にあやかって博物館側の力の入れようがわかる。最初の展示が盛安寺で間近で露出展示でみる観音堂の十一面観音が素晴らしかった。聖衆来迎寺では大津歴史博物館に預託されている日光月光菩薩がよかった。見所満載でじっくり見て居たかった紫式部の寺や嵐山が待っていたので早々に駅に戻った。
戒光寺の釈迦如来
今年もいつもの通り京都に来ている。今年の非公開文化財特別公開は例年と違って9月から12月までになっており、この戒光寺も明日(11月1日)で公開が終わる予定だ。今年は元気よい学生の解説はなく協会の関係者による解説だった。協会によると戒光寺の釈迦如来は高さ5メートルあまりの鎌倉時代の仏像で運慶・湛慶親子の合作とのこと。截金(きりかね)を多用した湛慶らしい作品となっている。公開時には仏像の近くで拝観できる。朝日新聞の全国版にその戒光寺釈迦如来の写真が掲載され、新聞の切り抜きを握りしめて秋田からお寺を訪問した熱心な仏像ファンをみかけた。今回、仏像の足元で誰でも拝観できるようになっており、10メートルの光背のため屋根が盛り上がったいる様も見ることができ協会によると今回だからこそ体験できたことだとのこと。京都初日にして素晴らしい仏像にあえてよかった。明日は大津歴史博物館の展覧会を見て嵐山に向かう予定だ
登録:
投稿 (Atom)