2025年10月20日月曜日

特別展「運慶」~祈りの空間ー興福寺北円堂③(北円堂持国天)

先週の木曜日ニコニコ美術館で特別展「運慶」~祈りの空間ー興福寺北円堂が取り上げられ、東博学芸員児島氏の解説で1時間半展覧会を鑑賞できた。番組では,無著の玉眼のドアップ等の映像が流れ、弥勒如来の納入品が弥勒菩薩であることや運慶銘では無著・世親とあるのに、願主近衛家実の「猪熊関白日記」には世親・玄奘と書かれている件や、無著の持つ包みは世親が明治期一時持っていたことなどが語られ、後半は四天王の話題となり、運慶の子息四人が担当し、北円堂が藤原不比等の菩提を弔うための創建であるため、再興した四天王は天平彫刻の模刻像であり、彫眼の瞳の部分を立体的に作られたりそれぞれ子息四人の個性が出ていることなどが語られた。会場内の解説のため各像の配置へのこだわりも語られ、ここに挙げる持国天は長男湛慶の制作と断定し湛慶の生真面目さが出ているなどマスコミうけするトークも絶妙だった。今は中金堂に祀られる四天王は元々北円堂にあることを裏付ける実験としての意味合いを持つ今回の展示だが、児島氏は湛慶の持国天を配置した際、正面を向く弥勒・無著・世親とぴったしで確信したなど、1時間半飽きさせない番組となった。確かにそれぞれの違いに興味がそそられたがたくましい骨格や表情には統一感が認められ運慶指導のもとに造像されたことは間違いないと思った。いろいろ深く知れたのでまた会場に行きたいと感じた。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿