2021年7月10日土曜日

特別展「聖林寺十一面観音~三輪山信仰のみほとけ」②(大御輪寺地蔵菩薩)

 

会場では十一面観音の存在感が他を圧倒しているため目立たないが、大神神社の神宮寺であった大御輪寺で十一面観音の横に不動明王と一緒に祀られていたのがこの地蔵菩薩である。奈良博の山口学芸員によると地蔵菩薩と言うよりも神像として祀られていたのだろう。像高172センチ余りのヒノキの仏像で明治の初めの神仏分離令のおり一度聖林寺に入りその後法隆寺に移され釈迦三尊と背中合わせに祀られていたが、その後法隆寺大宝蔵院に移された仏像だ。一木造りで翻羽式衣文や茶杓型衣文を交えた着衣表現は平安時代の特徴をあらわし、制作は遷都まもない平安時代初期に制作されたのであろう。一木彫像の実在感にあふれ、大ぶりな目鼻立ちは平安時代初期の特徴を表しているとのこと。確かにすばらしい仏像で会場で鑑賞したがまた十一面観音の前に戻ってしまう二人であった。



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