天上の舞・飛天の美展
本日遅まきながら、サントリー美術館で開催されている「天上の舞・飛天の美」展にでかけた。
展覧会は飛天にスポットをあてて、日本の古代から中世の飛天の姿を中心に飛天発祥の地インドから中央アジア・中国・朝鮮の作例もあわせて彫刻・絵画・工芸にわたって広く紹介するユーニクな展示構成となっていた。入ってすぐが「飛天の源流と伝播」のコーナーになっており、大谷探検隊が発見した中央アジアのクチャの舎利容器(複製)やインド彫刻などの飛天が紹介されていた。中国の飛天の鏡なども興味深く、その先には法隆寺金堂天蓋の飛天も展示されており間近にに見ると迫力があった。「天上の光景ー浄土図から荘厳具ー」では神奈川県・宝樹寺の阿弥陀三尊の光背に飛天が描かれていたり、東博でおなじみの「康円」の文殊菩薩光背飛天が展示されていた。第三章飛天の展開では岩手県の「松川二十五菩薩」が展示スペース一面に展示され圧巻だったが、惜しむべくはすべてお顔がないことだった。第二展示室にはいよいよ平等院鳳凰堂阿弥陀如来光背飛天が展示されており、展覧会のパンフレットにも寺外で公開はこれが最初で最後と銘打っているとおり、素晴らしい飛天が展示ケースを通してだが間近にみれてよかった。繊細な手の動きや顔の表情がすばらしかった。このあと実際に平等院修復後、鳳凰堂内に懸けられる摸刻像の南20号との「結縁」(けちえん)をすませ、雲中供養菩薩のもとに向った。片足を上げて拍子をとる北23号もよかったし、楽器をもつ南1号の表情が見る角度によって次々と変わるのには驚いた。さすが定朝工房の作品だと感じた。待ち時間もあわせて3時間ほどかけて鑑賞して満足して会場をあとにした。
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