2014年1月3日金曜日

宗慶の不動明王

昨日(平成26年元旦)に横浜そごう美術館の藪内佐斗司展で宗慶の不動明王に出会った。

藪内氏は奈良県のイメージキャラクターせんとくんの生みの親で東京芸大の教授で仏像の保存修復にも携わっている。この展覧会では藪内氏とその門下の学生が手がけた有名な仏像の製作技法を学ぶ摸刻像とともに修復した文化財の仏像も展示されていた。その仏像がこの不動明王だ。仏像クラブで平成23年10月に訪れた埼玉加須「保寧寺」(ほねいじ)の旧蔵の不動明王で、矜羯羅童子(こんがらどうじ)制吨迦童子(せいたかどうじ)の二童子が脇侍としており、願浄就院の運慶不動明王と同じ形式だ。保寧寺の阿弥陀三尊の製作は運慶の兄弟子「宗慶」が製作したことがわかっておりこの不動三尊も宗慶製作のものであろう。宗慶は慶派の創始者「康慶」の瑞林寺地蔵菩薩銘記に小仏師として名を連ねていたことからも、作風が康慶直伝といった感じが強い。以前、別冊太陽「運慶」でこの写真を見てからずっと会いたいと思っていた不動明王に偶然立ち寄ったそごう美術館で出会うとは今年の新春から縁起がよいと感じながら会場をあとにした。

 

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