2014年1月18日土曜日

天上の舞・飛天の美展②法隆寺の楽天

今回の展覧会の冒頭はインドから日本への飛天の流れを展観(てんかん)するもので、

日本古代の代表的な飛天の彫刻として、法隆寺の楽天(がくてん)が出展されていた。楽天とは天人がたて笛や琵琶を奏する姿をいい、法隆寺金堂の中の間つまり法隆寺釈迦三尊の上の天蓋(てんがい)に取り付けられたクスノキ材の飛天だ。お顔は東博の法隆寺宝物館の48体仏と同じ白鳳時代に流行した童子形であらわされている。双髻(そうけい)を結い、胸のあいた袖の長い上衣をまとい、下半身には裳をつけ、琵琶等の楽器のいずれかを奏する姿で、蓮華坐上に座する。肩には天衣がかかり、天衣は木製透かし彫りの光背へと及び、最後はパルメット唐草文様へと展開する。世界最古の木造建築である法隆寺金堂の内部を飾るにふさわしい楽天だ。今回は二例しか紹介されていないが、童子形のものから多彩な表現がなされていて興味がつきない。混雑した会場で和ませる作品だった。

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