2012年8月12日日曜日

運慶の大日如来に再会する

今日この夏の猛暑の中、東博の運慶大日如来に会いに行った。毎年夏に特別展示される大日如来だが、今年は会場の中央の展示ケースの中にあり、360度姿が拝めるのがよかった。ぜひ見たかったのが、大日如来の髻(もとどり)の後ろ姿だ。きれいに結い上げ前方に菊をあしらった華麗な髪飾りにばかり目がいくが、後姿を見て思わずうなった。豊かなボリューム感のうちに、きつく結いあげた髪の毛の質感までが感じられる。毛筋彫りのよどみないノミさばきがみごとだ。他にも光得寺の大日如来が厨司の中に納められて展示されており、ライトの関係でキリット引き締まった仏像に見えた。みうらじゅん氏の言う「カッコよくて、グットとくる。それが運慶」というものを実感させる作品だ。今日の東博本館はこの14室の「特別展示 運慶周辺と康円の仏像」のほか彫刻のコーナーにも見るべき仏像があり大忙しに一日だった。帰りに地下の「ミュージアムショップ」で山本勉先生の「新出の大日如来像と運慶」の論文が掲載されている、「MUSEUM」を購入して国立博物館を後にした。

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