伊豆河津南禅寺の仏像郡
昨日伊豆河津の南禅寺(なぜんじ)の仏像郡を仏像クラブで拝観した。南禅寺は以前「ふるさとの仏像をみる」(世界文化社)を読んで、ずっと気になっていたお寺だ。函南の桑原薬師堂のように地域の方が護っていた仏像で、平安時代の仏像が20体以上安置されているとのこと。観光協会から管理されているかたの連絡先を教えていただき、事前に拝観の予約をとった。当日は早朝から絶好の天気で初夏のさわやかな風に吹かれながら、お寺に到着した。まずお堂の奥正面のガラスケースの厨子に薬師如来・十一面観音・地蔵菩薩3体の仏像が並んでいた。薬師如来は像高117㎝のカヤの木の一木造り平安時代前期の作という。貞観仏の厳しい親顔たちでないのは後世に堀直していたため。もとは目尻が長く切れ上がり、鼻筋が通って高い神護寺の薬師如来のような表情だったとのこと。地蔵菩薩・十一面観音もすばらしく正面の3体がいちばん保存状態がよい。他にヨーロッパの「日本木彫展」に出展した二天像や梵天などは彩色はないがすばらしい彫刻だ。四天王などは山アラシで土にうまったため痛みが激しいが、じっと見ていると輪郭が浮かび上がる、製作当初名品であったことがわかる。写真OKとのことで、夢中で写真をとった。来年3月には町で収蔵庫をつくるとのこと、今のうちに見ておく仏像郡だ。森から吹く抜けるのさわやかな風にふかれながら、いつまでも仏像をながめている、仏像クラブの面々であった。
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