2012年5月5日土曜日

快慶作「深沙大将」に東博本館で再会する

ボストン美術館展を見終わったあと、本館の新指定国宝・重要文化財の仏像が展示してある一階彫刻のコーナーに向かった。今年度に新たに指定された重要文化財の中に昨年の夏、高野山霊宝館で見た「深沙大将(じんじゃたいしょう)」がわざわざ高野山より上野の東博にお出ましになっているとのこと。私が見た後、「深沙大将」と同時期に作られた「執金剛神」の足裏より快慶の文字が発見されたことにより、めでたく新指定の運びとなった。改めて東博のガラスケースの中にある「深沙大将」を見たがすばらしいの一言につきる。「深沙大将」は西遊記の沙悟浄(さごじょう)のことで、三蔵法師を六度食らったが、七度目に改心し、弟子になったと伝えられている。本像も首の周りに三蔵法師の髑髏(どくろ)の首飾りをつけ、腹に人面を表した異様な姿がグットくる。脛当には象が二匹おり、見るものを圧倒する。快慶の美しい金泥塗(きんでいぬり)の弥勒菩薩を見たあとなので、同じ作者の仏像なのかと疑ってしまうほどの迫力だった。改めて快慶の力量に圧倒された。

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