2024年9月14日土曜日

創建1200年記念特別展神護寺③(五大虚空蔵菩薩)


 特別展神護寺の仏像展示のトップバッターはこの五大虚空蔵菩薩だ。毎年一定の期間しか神護寺では御開帳されないので私も神護寺では見たことがなかった。展覧会では1体だけ展示はあったが五大虚空蔵菩薩揃い踏みが謳い文句となっている。虚空蔵菩薩はそれぞれ名前があり宝戒・金剛・宝光・蓮華・業用虚空蔵菩薩となっておりそれぞれ色がよく残っている。みうらじゅん・いとうせいこう氏も新TV見仏記で初めてみれたぐらいの秘仏だ。みうらじゅん氏は独特の感性で色分けされた虚空蔵菩薩をレッドマン・ブラックマンと呼んでいたが、私が気に入ったのがブルーマンで宝珠を執る。神護寺の宝塔内では横一列になっているが、記録によれば今回の展示のように法界像(ホワイトマン)を中央に東北・東南・西南・西北に並んでいたという。ヒノキの一材で頭髪に乾漆をもった木心乾漆造の仏像だ。本像の造形は今回出展された高雄曼荼羅を典拠としている。神護寺にとって貴重な作例であることは間違いないだろう。クリアファイルが売っていなくて残念だったが、代わりに高雄曼荼羅の虚空蔵菩薩がアップにされたものを購入した。それによると虚空蔵菩薩に火炎光背が描かれていることから当初は立派な光背がついていたことを想像しながら会場を後にした。





2024年9月8日日曜日

成島毘沙門天に再会する


 岩手仏像探訪の旅2日目最後に訪れたのが、15年前にも訪れた成島毘沙門堂だ。新花巻の駅からタクシーで東和町に向かい入口の女性に拝観料を払い三熊野神社と成島毘沙門堂の共通拝観券を購入しまず三熊野神社から拝観した。ここは坂之上田村麻呂が和歌山の熊野三山からここに移し本殿を建立したとのこと。15年前より神社がこぎれいになり神主らしき人もいるように感じた。以前はこの後ろの廃屋のような建物に毘沙門天を祀っていたが重文指定で収蔵庫に移したとのこと。そちらを目指して、さらに少しばかり山を登ると、寺男のおじいさんがニコニコして拝観券をチェックして収蔵庫に入れてた。なつかしい兜跋毘沙門天が地天女と呼ばれる女性の肩に乗り見下ろしていた。ほぼ五メートルはある一木造りだ。脇をみちのくいとしい仏たち展に出展していた尼藍婆・毘藍婆が癒やし系で固めていた。また東博みちのくの仏像展に出展された伝吉祥天の美仏がひとりたっていた。その空間に酔いしれいつまでもいたかったがタクシーを待たせているので、期間限定のすいかの絵がかわいい夏詣の御朱印をいただき新花巻に戻り新幹線で盛岡に向かった。