2021年12月4日土曜日

特別展「最澄と天台宗のすべて」②(法界寺薬師如来)

 

特別展「最澄と天台宗のすべて」は東京・九州・京都の三会場でそれぞれ展示が違うが、秘仏の法界寺薬師如来は東京・京都のみの展示だ。東博の皿井学芸員によると天衣に彩られた截金文様をよくみなさんに見てもらうため小さな展示ケースを選んだ。お寺では側面しか見れないが展覧会では像高88センチ余りの仏像の背中に広がる金糸の文様がよく見えた。比叡山の絶対秘仏最澄の自刻像を模して制作されたと伝えられている。右手を胸の高さに挙げて手を前に向け、左腕を前方に曲げ前に差し出し挙を上に向けるという姿は鎌倉時代に天台座主慈円が実見した延暦寺根本中堂の本尊、最澄自刻の薬師如来の姿に近い。根本中堂には二尺の素木仕上げの七仏薬師も納められた。この像が七仏薬師になぞられたとも、そのひとつが法界寺の薬師如来に相当するとも伝えられている。この仏像に出会えただけでも展覧会に来てよかったと思った。

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