特別展「横浜の仏像」⑮(寶蔵院阿弥陀如来)
横浜の仏像展を紹介したテレビ番組「ぶらぶら美術館」で吉井大門学芸員がおぎやはぎに説明していたのが、金沢区にある寶蔵院阿弥陀三尊だ。図録では山本館長が解説しており、それによると鎌倉時代の製作で木造金泥塗・漆箔・玉眼の仏像だ。吉井学芸員も説明していたが中尊は衲衣が特徴的で上層の縁に下層部分二か所を引き出してかける形式、衲衣の末端近くに輪を付けて背部から左肩越しに紐で吊る形になっている。山本館長は鎌倉時代の新様式だとのこと。吉井学芸員は両脇侍が両手で蓮台を持ち合掌しているが、腰をかがめず、むしろ左右にひねる形から当初は運慶の浄楽寺のような片手を垂下し長い蓮茎をとる伝統的な平安時代の形式だったものを後補し作り変えたと説明していた。山本館長がまとめると平安後期の伝統的な製作に深くなじんだ作家が、何らかの要請にもとづき、やや未消化ながら新時代の流行に対応した製作を試みた印象があるとのこと。お笑いタレントみほとけも他の仏像の山本館長の説明に感心していたが、山本館長の仏像に対する洞察力に感心する展示だった。
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