特別展「横浜の仏像」⑲永勝寺阿弥陀如来
山本館長の講演で太寧寺と同じく善光寺式阿弥陀と清凉寺式釈迦の合体仏として紹介されていたのが、永勝寺の阿弥陀如来だ。この仏像は善光寺阿弥陀を親鸞が感得し作ったという伝承がある。この仏像の特徴は顔を覆う僧形の面があることで、戦国時代お寺の前を馬上で通ったものが落馬し、無礼は振る舞いで本尊に向かえば倒れることがしばしばおこったため面をかぶせたとのこと。みほとけちゃんねるで出演者のイラストレーター田中ひろみ氏が言っていたが千葉の安房の真野寺にも同じような千手観音があると指摘していたが、千葉市美術館で2013年に開催された仏像半島展で私も現物をみたがこちらはお面がかぶったままの展示であったためより印象が強かった。頭髪は螺髪がない平彫りとし、肉髻珠・白毫相をあらわす如来像で、背部から右肩・右腕をおおって袖状に垂れる覆肩衣(ふげんえ)のうえに衲衣を偏段右肩に着け、下半身に裙を着ける鎌倉時代のヒノキの仏像だ。「ミズノ先生の仏像のみかた」によれば覆肩衣はもともと尼が胸を隠すためにきたものという。それが仏像にとりいれられるとは知れば知るほど面白い仏像の世界だ。
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