2019年7月27日土曜日

特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」③(室生寺釈迦如来)

平成22年の夏、平成25年秋、そして今年の春と室生寺釈迦如来にお会い
しているが、いつ見ても素晴らしい仏像だ。しかも今回は露出展示で東博本館11室に展示されていたので、友人とともに仏像に感動して立ち止まってしばらく見ていたほどだ。なんといっても着衣の翻羽式衣文(ほんぱしきえもん)がすばらしく図録にも一木造の真骨頂と書かれていたのもうなずける。今回改めて知ったのだが、室生寺は平安京に遷都した桓武天皇が皇太子の時、病気平癒を祈祷して造られたお寺で、当時の本尊がこの釈迦如来だ。長く客仏だと言われてきたが、東博も慎重に「創建当初の本尊であった可能性がある」と言及している。今の本尊は金堂の釈迦如来だが、今回の特別企画のコンセプトでは本尊は奈良でそれ以外この特別企画でご覧いただきたいとのこと。本尊が東博で見られないのが残念だが、本尊級のすばらしい仏像が目白押しなので何度も足を運ぶ人が多いというのもうなずける。多くの写真家がこの釈迦如来の横顔の素晴らしさを作品で表しているが、今回じっくり見て納得がいった。室生寺の十一面観音や地蔵菩薩も気になるので次の展示作品に向かった。

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