2019年3月31日日曜日

運慶展⑫(東福寺の多聞天)

快慶展から2年運慶展から1年半が経とうとしているが、いまだにすべての
作品を紹介できないほど、多くの仏像を見た。今回紹介する東福寺の多聞天も運慶作ではないかと言われる仏像だ。NHKの「運慶とは何者だ」という番組内でもこの多聞天が取り上げられ、CTスキャンの結果玉眼の抑え木が無著像と似ているという事実が紹介された。運慶展の図録ではその点が触れられていないが、新たに読み返してみると他にも着衣の部分で運慶作品を示唆することがある。それはすね当てをほとんど覆うように袴を足首近くまで下す点で、興福寺の南円堂の多聞天や金沢文庫運慶展で見た曹源寺の巳神にも見られるとういことだ。山本勉先生も高野山八大童子に似た運慶風が顕著と別冊太陽「運慶」で説明しておりまず運慶作と見て間違いないのではと思う。東福寺を訪ねる機会があればまたじっくりと拝観したいと思う。

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