快慶展⑨知恩寺阿弥陀如来
奈良博で開催された特別展「快慶」では銘記は内部からなかったが、作風から快慶作と思われる仏像も出展されていた。平成18年に新たに見いだされた京都百万遍知恩寺の阿弥陀如来もそのひとつだ。この仏像を初めて見たのは大津市歴博で開催された「比叡山展」でその頃は後世の補色で黒っぽい色をしていたが、快慶展出展のおりにはその色もなく快慶得意の金泥塗のきれいな仏像となっていた。主催者の山口奈良博学芸員によると、肉付きのよい面部や厚みのある体躯、着衣部にほどこされた截金(きりがね)文様の趣致もふくめ、遣迎院像に極めて近いとのこと。よく見ると快慶作と判別できる耳の彫り方をしており、展覧会では同じ会場に展示されたいたのでわかるように工夫されていた。二度とない機会にじっくりと鑑賞すればよかったと今になって後悔している。
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