2018年12月22日土曜日

特別展京都大報恩寺快慶・定慶のみほとけ③(快慶の十大弟子)

展覧会場では行快の釈迦如来の周りに釈迦の10人の弟子「十大弟子」が展示
されていた。10体揃って寺外初公開で、快慶の主導で快慶の弟子と運慶系の仏師が鎌倉時代に製作した快慶最晩年の名作だ。図録によると頭部の作風より運慶系の4体と快慶一派の6体にわけられるという。運慶系はゆがみやくぼみがあり人体の生々しさが表現されており、快慶一派は女子一番人気の阿難陀(アーナンダ)を代表するように球形に単純化されている。私が一番気に入ったのは快慶の墨書が足ほぞより発見された神通第一の目犍連(モクケンレン)で衣に快慶お得意の切金で彩色を凝った彩色を施している。老いの描写を気品のある表現にまとめあげる力量と出来栄えから快慶その人の作であること間違いないという。会場は作品保護のため照明をおとしていたためよく解らなかったが、行快作の墨書がある持律第一の優婆離の背中の衣も切金で素晴らしい彩色が施されていた。今回の展覧会で二度とない機会にじっくり十大弟子が鑑賞できてよかったと思う。

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