福島いわき仏像巡り:前編
先週の土曜日仏像クラブで福島県いわきの仏像鑑賞会を行った。仏像クラブが創立10年を迎えて、初めて東北地方へ遠征をおこなった。メンバーのアドバイスでジャンボタクシーを手配して、長隆寺・薬王寺・白水阿弥陀堂と巡った。最初に訪れた長隆寺はSNSで初めて知ったのだが、鎌倉時代の快慶風の地蔵菩薩がまつられている。野趣溢れる参道をあがりご住職に連絡し地蔵堂を開けていただいた。中央の厨子には像高177センチの立派な地蔵菩薩が祀られていた。縁起によると鎌倉円覚寺の長老より南北朝時代に贈られたもので、鎌倉時代の快慶の作と伝えられているとのこと。秘仏になっていたのか衣の色が良く残っており、袖を装飾的に波立たせるなど快慶的な特徴も見いだせるが、解体修理を行ってみないと断定はできないと感じた。仏像クラブの面々はいわきにこのような素晴らしい地蔵菩薩があることに感動したらしく熱心に写真に収めていた。その次に向かったのが薬王寺で、鎌倉時代の文殊菩薩をはじめ重要文化財の寺宝を持つ寺だ。別冊太陽「みちのくの仏像」にも掲載されている仏像で慶派の作とのこと。左手に経巻、右手に剣をとっていたものと思われるが、持物は失われている。増高42センチだが迫力のある獅子に乗っており、慶派の作とみて間違いないだろう。突然の訪問にもこころよく応じていただいた次世住にお礼を申し上げ、白水阿弥陀堂に向かう仏像クラブの面々であった。
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