2015年6月20日土曜日

インドの仏展⑤ブロンソンな弥勒菩薩

弥勒菩薩とは釈迦が入滅後26億7千万年後に現れるという、未来仏で京都広隆
寺の仏像が有名だが、そのルーツの仏像はどんなんだろうと興味を持ちながら、表慶館の2階の展示室に向った。みうらじゅん・いとうせいこうが「ブロンソン」と呼んでいた仏像が二階に上がるとすぐ見えた。ブロンソンとはアメリカの俳優でチャールズ・ブイロンソンのことをさしている。頭髪を結い上げ水瓶(すいびょう)を持つ姿はバラモン教の最高神ブラフマン(梵天)との共通性が強い。結跏趺坐し厚い胸板が肉感的だ。胸の飾りや腕かざりなどにガンダーラ美術最盛期の特徴がみれる。それにしても日本の弥勒菩薩との違いに驚かされた。インドのそれがシッダルタ王子の貴族の姿を意識したものに対し、日本の仏像はブッタを意識した弥勒如来の姿で描かれるからであろう。いずれも正解で二つの文化を比較でき興味深く拝観できた。他の展示を見にその場をあとにした。

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