2013年9月14日土曜日

興福寺板彫十二神将

今回の「国宝興福寺仏頭展」では、日本の国宝十二神将四つのうち二組の十二
神将が出展されている。ひとつは慶派が製作した鎌倉時代の東金堂の十二神将。もうひとつがここで紹介する板彫十二神将だ。大きさは1チメートルあまりで、厚さわずか3センチの檜材の板にレリーフされている。十二神将とはもともとインドの神様が仏教に帰依して薬師如来の守護神となったもの。因達羅大将はサンスクリット語でインドラで帝釈天のこと。宮毘羅(くびら)大将は金比羅大権現と日本人になじみの神様が姿を替えたもので、それぞれ見ごたえがある。平安時代後期の興福寺薬師如来は、かの定朝が作成したとの説があり興味がつきない。今回の展覧会では柱にガラスケースをつけて拝観する展示方法がとられていて、かつて台座の周りに貼り付けていた平安時代のご本尊を想像させる仕組みとなっている。平家の焼き打ちの際、はずされて持ち出されたために今に伝えられている。当時のことを想像しながら拝観し、慶派の十二神将が待つ三階にエレベーターで向かった。

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