長講堂の阿弥陀三尊
先日の京都・近江の旅一日目の午後知恩院の後に行ったのが長講堂だ。ここも京都非公開文化財特別公開のひとつで、正式には法華長講弥陀三昧堂といい、後白河法皇木造を初め貴重な文化財が拝めるお寺だ。順路に従って文化財を拝観し、それぞれに若い女性から説明を受けるシステムになっている。本堂に入ると中央に半丈六の阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩の三尊形式の仏像が祀ってあった。赤銅色で、円光背には雲がたなびく。説明によると定朝の流れをくむ院派の代表仏師「院尊」の作で、脇侍の観音・勢至は半跏の形で、宝冠の模様も細かく華美で、いかにもたおやかな浄土の姿を示している。次に説明をうけたのが像高60センチ法然上人と善導太子だ。実に興味深いことだが、法然・善導両方の腹はくりぬかれ法然には勢至・善導には阿弥陀如来が入っている。 善導太子は衣が金にグラデーションしており、まさに仏になる瞬間を表している。最後に運慶の子孫が彫った江戸期の後白河法皇像を見て、長講堂をあとににした。
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