2011年12月17日土曜日

寿宝寺の千手千眼観音

この秋の京都旅行では南山城の美仏をめぐると決めていた。京都の雑誌やガイドブックなどを調べていたら「京都ぴあ」で「お顔が変わる仏像」として寿宝寺の千手観音が紹介されていた。調べると予定していた観音寺からすぐ近いとのこと。早速タクシー会社にネットでコースを示して予約した。タクシー会社の運転手から寿宝寺は予約が必要とのことで、お寺に予約をした。観音寺のあと予約の時間には少し早かったが寿宝寺を訪ねた。お寺では若いお嫁さんが応対してくれて、収蔵庫へと案内してくれた。収蔵庫の中には日本で数少ない、実際に千の手を持つ本尊の十一面千手千眼観世音菩薩がいらした。ほどなく先ほどのお嫁さんが赤ン坊を背負って仏像の説明をしてくれた。持物のない手に墨で目が描かれているところを懐中電灯であてながらの説明で親切でわかりやすかった。収蔵庫の扉を閉め仏像のお顔が、昼と夜、明るさの度合いにより全く表情が変わる説明がよかった。特に光りを落とした際の面差しは慈悲深く柔らか。見る人の心を静かな癒しで満たしゆく、素敵な仏像だ。お嫁さんから御朱印をいただいて静かに寺をあとにした。

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