2011年9月22日木曜日

空海のみほとけたち⑨(高野山の大日如来)

今回の空海展では、東寺の大日如来は出展されていない。仏像曼荼羅と称しているが、中心になる大日如来がないのである。そのかわり高野山霊宝館から平安時代の大日如来が出展されている。高野山の西塔に祀られていたもので、金剛界の大日如来のため智拳印(ちけんいん)の印相を結んでいる。智拳印では人差し指が人を表し、それを仏が包み込む仏の智慧を表している。この大日如来は空海の死後作成され青い髻が東寺の五菩薩像と似ている。おそらく宝冠があったと思われる痕跡があり、力強い眼差しが印象的だ。高野山の大塔・西塔に安置されていた五仏のうち唯一現存している貴重な仏だ。第二会場の入口にありとても印象に残った仏像だった。

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