2026年8月1日土曜日

弘法大師生誕1250年記念 特別展「空海と真言の名宝」②(安祥寺の五智如来)


「空海と真言の名宝」展に出展される仏像は88点と多いので順不同で紹介する。最近の仏像展の傾向として最後に写真撮影可能なエリアがありそこに置かれていたのが、京博でおなじみの安祥寺五智如来だ。この五智如来は明治のころから京博に預託されており、もとは現在焼失した多宝塔に祀られていたが、明治の火災のおりには京博に預託され難を逃れたいわくの仏像だ。安祥寺の創建は平安時代前期の848年。安祥寺資財帳にも五智如来がいつ造像されたか記載がないが、多くの研究者が検討を加えており、創健者であり空海の孫弟子である恵運僧都が唐から帰国した嘉承元年(848年)から貞観元年のあたりとみてよいとのこと。大日如来像は目が鋭く、まるく張った頬、単純化した肉取り、大まかにとらえた衣の襞など力強い表現である。肩から肘までを含め体部が一材から彫出する。ネットで騒がれていた大日如来のヘアの質感が押したら戻ってきそうな不思議なムニムニ感は形状は木彫で表わされているが、その上に木屎漆を用いているため。その技法は奈良時代の造仏工房の流れを汲む官営工房が用いたと考えられ、安祥寺発願者が仁明天皇の皇后藤原順子とのこと。仁明天皇崩御の嘉承3年(850年)あたりから造像され五智如来完成が880年頃ではないかと考えられる。金箔は後世の補修だが貞観以前に製作された平安仏の貴重な作品であることは間違いないだろう。


 

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