2021年8月28日土曜日

特別展「聖徳太子と法隆寺」④(如来像及び両脇侍像【法隆寺献納宝持】)

 

「聖徳太子と法隆寺」展は奈良と東京で開催されたが、東博では法隆寺献納宝物の小金銅仏が展示されていた。2013年に法隆寺宝物館で初めて見たが、昨年も「出雲と大和」展で拝観したが、聖徳太子をテーマとした本展では仏教公伝と結び付けて考えられる。東博学芸員の三田氏が図録に書いた論文によると、太子の祖父欽明天皇の時代百済の聖明王から(中略)「釈迦仏の金銅像一躯」が送られそれを見た欽明天皇がそれまでなかった金色に輝く仏の姿を見て驚いた点が「日本書紀」に記載されている。この如来像及び両脇侍像はまさにこの頃、百済で製作された可能性が高く、日本仏教の黎明期を偲ばせるとのこと。また図録解説によると、近年の科学調査により中尊と脇侍の材料の成分が異なることから、中尊は百済製脇侍は日本製と考えられるがうまく一光三尊形式にまとまっている。光背に巻き付くような蔓(つる)が巻き付くよう植物表現は百済仏との共通性が見られるとのこと。東博出身の鎌倉国宝館山本館長の解説動画で芸人「みほとけ」がそこまでわかると驚いていたが、学芸員の解説により深くこの仏像のことがわかり、次回法隆寺宝物館を訪れる際、よく見てみようと思った。

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