2021年1月31日日曜日

聖衆来迎寺と盛安寺④(聖衆来迎寺の日光・月光菩薩)


 2014年に近江坂本を訪れた際、、聖衆来迎寺の拝観を申し出たがお寺の行事という理由で断られたことがある。普段公開されない仏像が昨年開催の大津歴史博物館で公開されるというので、京都観光を中断して大津歴博に向かった。盛安寺のコーナーを過ぎるといよいよ聖衆来迎寺のコーナーになっており多くの仏像が迎えてくれた。私にまず注目したのが日光・月光菩薩像だ。この仏像は京都岡崎元応寺が応仁の乱で焼きだされ、坂本に移ったが織田信長の比叡山焼き討ちなどにあい今は聖衆来迎寺の本尊の脇侍に収まっている。像高は1メートル余りで面長でやや平板な顔立ちや頬下が広くやや冷めた目つきは十四世紀ごろの像によくみられる表情だ。日光菩薩は胸前にあげた右手の指で輪をつくり、太陽をあらわし、月光菩薩は月の標識を表している。像内の書付から今となっては幻の寺院となった創建期の京都の仏像の作風をしる貴重な仏像だ。他にも見どころが多い展覧会なので次の展示に向かった。


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