2019年6月22日土曜日

快慶展⑪(醍醐寺三宝院弥勒菩薩)

奈良博で快慶展が開催されてから2年経ったがいまだに快慶ブームが続いてい
るようだ。昨年も東博で「特別展京都大報恩寺快慶・定慶のみほとけ」が開催され、つい先日物議をかもした「運慶と快慶新発見!幻の傑作」という番組も放送された。いまだに思い出すのが奈良博特別展「快慶」の入口に展示されていた醍醐寺三宝院弥勒菩薩だ。一度、醍醐寺秋の特別公開で参拝した弥勒菩薩だが奈良博のドラマチックな照明に照らし出された仏の姿は感動ものだった。奈良博の山口研究員も「月間大和路ならら」で語っていたが「デビュー2作目目、個人的には最初期にして随一といえるほど優れた傑作です。」とのこと。後白河法皇追善の供養仏として製作され金泥塗を用いた最古の仏像だ。雨の日暗いお堂のなかでも渋く光っていた金泥塗のこの仏像が照明が当たることで落ち着いた光を放っいた。その秘密は金泥の製作方法にあり、粉末にした金箔が受けた光を乱反射されているからだ。快慶ワールドが一気に広がった感じがした忘れられない快慶仏だ。

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