2018年10月21日日曜日

快慶展⑦(八葉蓮華寺の阿弥陀如来)

昨年春に行った奈良博開催の「快慶展」には80体以上の快慶仏が集合したた
め、第七章「安阿弥様の追求」のころには少々ばて気味になっており集中力が途切れてきていた。快慶は多くの三尺阿弥陀を残しておりここにあげる八葉蓮華寺の阿弥陀如来の快慶無位時代の名作と言われるがあまり印象に残っていなかった。近頃見た写真でその素晴らしさを確認したぐらいだ。そういえば、「TV見仏記」の「大阪ひっそりおわす編」のカンテレドーガの表紙の写真がこの八葉蓮華寺の阿弥陀如来であることからも名仏であることは確かであろう。図禄によると信西入道の孫・恵敏が願主となって造像されたことが納入品からわかった。恵敏は大寺院の要職を務め阿部文殊院文殊菩薩や東大寺僧形八幡像の願主にもなった僧だ。球体を感じさせる丸みのある頭部や、やや切れ上がった目尻、小さめにあらわされた口元などの特徴が印象的だ。秘仏のためめったに拝めない貴重な仏像に会うことができたことに感謝したい。

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