2014年5月31日土曜日

南山城の古寺巡礼展④

今回の展覧会に先立って京都国立博物館は、約3年をかけて南山城の10
箇寺の文化財調査を行ったそうだ。この法性寺の地蔵菩薩はその調査の過程で発見された仏像で、私も見るのが始めてだった。法性寺は海住山寺の子院のひとつで、地蔵菩薩には玉眼が施された鎌倉時代の仏像だ。図録には嵯峨清涼寺の釈迦像を思わせる衣文線が特徴と書かれていたが、私はそのなんとも味のある仏像の表情にひかれた。するどい眼差しながら全体的にはおだやかな表情がよい。京博はよくぞ文化財調査でこのお地蔵様を見つけてくれたと感謝したいくらいだ。魅力的な仏像の展示が多い本展であったが、心に残る地蔵菩薩との出会いであった。

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