2014年2月22日土曜日

広隆寺の十二神将

平成20年にU案内人と京都の広隆寺を訪れたが、その際出会ったのがこ
の十二神将だった。日光菩薩、月光菩薩の両脇に6体ずつ分けられていた。技術の光る戦いより舞踊(ぶよう)を感じさせる十二神将だ。これは大仏師定朝の息子覚助(かくじょ)と共に活躍した一番弟子長勢(ちょうせい)の作と伝えられている。なかでも「安底羅大将」は目を細めて矢を持つ姿が新薬師寺の頞你羅(あにら)大将を意識した造りとなっている。しかし平安時代後期のこの作品は当時の神将形の特徴である温和な憤怒相(ふんぬそう)と、激しい動きを抑えた姿勢を刻み、頭髪、甲冑に変化をつけ、漆(うるし)と彩色を交えて優美に装飾されている。いずれも国宝で円派の祖である長勢の数少ない遺作のひとつである。広隆寺は有名弥勒菩薩ばかりでなく他にも多くのみるべきものがたくさんある。大満足してその場を後にして宿に向った。

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