2013年12月21日土曜日

室生寺の十一面観音

今回の奈良旅行のハイライトが紅葉に真っ赤に染まる室生寺だ。

室生口大野からバスで室生寺へ向う。紅葉に染まる門前を抜けてまっすぐ金堂に向う。お目当ては彩色がよく残る十一面観音と表情豊かな十二神将だ。本日は秋の特別公開として金堂外陣からの拝観となっており、仏像との距離が近い。金堂に入ると左端に安置されている十一面観音が眼に飛び込んで来た。肉付きがよい豊満な顔立ちというよりか、やや「しもぶくれ」したように見える十一面観音。天衣や条帛の襞(ひだ)を平行線で刻むと、全体に装飾的な傾向がつよく、女性的なやさしさが漂っている。唐草文様の光背も素晴らしく平安時代の初めの製作でありながらよく彩色が残っており、なまめかしい。私はしばらくたたずんで、十一面観音の前を離れることができなかった。

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