2010年9月18日土曜日

仏像クラブ活動報告(東大寺法華堂)

平成20年秋、紅葉が色づきはじめた大仏殿の裏道を登りながら二月堂・法華堂のある広場に向かう。法華堂のうす暗い堂内に十数体の天平仏が居並ぶ。湿気の多い堂内が不思議な感覚を与えた。土っぽい色の仏像たちは、もわりとこちらを包むような力を持っていた。その中で唯一かすかに光るのが、真ん中に位置する不空羂索観音菩薩像だ。ひたいに第三の目を持ちこちらを突き放すようにたっている。脇を日光・月光菩薩が固めておりこちらも秀作だ。日光像は大袖衣の上に袈裟を着け、片側に流れる動きのある衣文をつくるのに対し、月光像は襟の小さな大袖衣を着け、左右対称に腰帯を垂らす。両像は、指先だけを接して合掌し直立する共通のポーズをとるが、着物の形を変化させて、日光の動と月光の静とが巧みに対照される。法華堂の諸仏が3メートル以上あるため、日光・月光菩薩が小さく見えたが、あとで調べたら像高2メートルとのこと。お寺の説明を畳にすわって伺った。15分ほどかけゆっくり説明が聞けてラッキーだった。入江泰吉の東大寺仏像大版写真が1500円で売っていたいたので購入し、その日の宿に向かった。

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