2019年12月6日金曜日

般若寺の八字文殊菩薩

今回の京都・奈良旅行で最後に決まったのが般若寺だ。秘仏開帳ページで興福寺の近くで開いているお寺を物色していたら般若寺の白鳳仏を見つけた。写真が仏像カレンダーでも掲載されており見仏記でみうらじゅん氏・いとうせいこう氏も訪問しているのでいい仏があるに違いないと確信して決めた。お寺に着くと住職が寺の歴史の説明をしており、聖武天皇の発願で平家物語や太平記の舞台になったことを懇切丁寧に語っていただいた。本尊は「八字文殊菩薩」で鎌倉時代に後醍醐天皇の発願で再建された。以前は丈六の文殊菩薩があったが焼失し厨子に祀られた文殊菩薩を本尊とした。「八字」の意味は見仏記によると童子顔な文殊菩薩の髷の数を意味しており普通は5つ、般若寺は8つあるからだ。善財童子らを従えて筋骨隆々した獅子の上に乗っている菩薩だが、髷が小さな女の子の髪で作るいわゆるオダンゴに見え、右手に持つ剣も短めで、一心に前を向いている健気な目をしている。コスモスが咲く庭に建つ十三重石塔から見つかった白鳳仏も気になるので、本堂をあとに宝蔵堂に向かった。


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