2019年8月24日土曜日

令和京都非公開文化財特別公開:番外編(同聚院不動明王)

今年の春、令和京都非公開文化財特別公開を鑑賞する間に、東福寺の塔頭、
同聚院に向かった。お寺につくと門前に多くの善男善女が並んでいた。不動明王目当ての列かと見ていたら、御朱印目当ての女性が多くご本尊を拝観する人はまれのため、拝観料を払って静かに不動明王に対することができた。この不動明王は定朝の父、康尚の一木造りのいわゆる「大師様」の不動明王だ。康尚は寺に属さず工房を営む初めての仏師で、この不動明王は藤原道長が造った法成寺五大堂の本尊とみられる。山本勉先生著の「別冊太陽仏像」では後補である両脚部や剣がない写真であったが、お寺では剣を持ち火焔光背をつけ薄暗い中どっしりと座っている印象だ。山本先生によると「頭部が小さくあまり肥満の見られないスマートな体形で忿怒(ふんぬ)の表情もあまり見られない」とのこと。薄暗がりの中だろうか私は十分迫力を感じた。念願の康尚の仏像を見て大満足して令和京都非公開文化財で沸く聖護院に向かった。

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