2018年3月24日土曜日

特別展仁和寺と御室派のみほとけ④(葛井寺の千手観音)

先日無事に閉幕した「特別展仁和寺と御室派のみほとけ」は1月から開催し
ていたが仏像クラブで訪問したのは2月の葛井寺の千手観音が来てからとなった。平成21年4月18日に葛井寺を訪問しご開帳された千手観音を拝観したが、その日は大法要にあたり経を唱えながら一心に祈っている女性の姿が印象的だった。会場では間近に露出展示でみられしかも360(サブロクマル)で鑑賞できてよかった。千手観音の造像は仏教文化が花開いた奈良時代。天平彫刻の名品である。この千手観音は本当に1000本あるいわゆる真数千手でしかもそれぞれに目が描かれている千手千眼観音だ。真数千手としては奈良唐招提寺の千手観音が有名だが953本しか現存しておらず、葛井寺像は日本の古代中世の作品としては、千本の手が認められる唯一の像とのこと。材質は奈良時代の貴重な脱活乾漆づくりで、聖武天皇の発願にて造像された。前回、仏像クラブで鑑賞した時見落とした頭上の化仏の「大笑面」を見たが、穏やかな微笑みをうかべており平安時代になると笑いとともに恐ろしさあわせもつ「暴悪大笑面」と一線を画す表現になっており天平彫刻のおおらかさを感じた。いつまで見ていたかったがグッズのコーナーで千手観音のポスターを購入し名残惜しいが会場をあとにした。

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