2017年10月14日土曜日

運慶展②(真如苑真澄寺の大日如来)

運慶は平成の時代になってもニュースになる新たな発見がある仏師だ。新出
の大日如来がニューヨークのオークションにかけられたり、最晩年作が金沢文庫で発見されたり、最近では運慶作と思われ今回出展された十二神将のひとつから運慶死後の年号が書かれた墨書が発見されたりと話題に事欠かない。しばらくの間毎年夏の東博での展覧会に出展されていた、運慶作真如苑真澄寺の大日如来にも今回の展示で驚くべき発表がなされていた。文化庁がボアスコープ(棒状の内視鏡)で大日如来の耳穴より挿入し仏像の内部の撮影に成功してたとの発表。また東京国立博物館がCT調査によりX線写真では分かりづらかった心月輪や五輪塔という像内納入品をより明確に撮影に成功した発表。どちらも静止画での説明のためいまいちイメージがつかめなかったが、先週の土曜日NHKBSで放送された「仏像ミステリー運慶とは何者か」でCG動画がながれ全体像がつかめた。真澄寺の大日如来の胎内は黄金で彩られ、5色の五輪塔形木札が梵字とお経で荘厳されており、水晶製の心月輪と五輪塔が収められているという。驚くべきことだ。だれも見れない仏像の内部にこれだけの仕掛けをするのは運慶しか考えられない。ぜひ東博のミュージアムシアター向けにVR作品が製作され大画面でゆっくりと解説が聞けるようになることを期待している。


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